第89章 堆魂の儀(ついこんのぎ)
ケイト「大事にするよ―――
わかってるよ…
ごめん……ごめんね…(ぼろっ)
でも‥……
でもっ‥……(ぼろぼろ泣き震え)
守るって、助けてって、約束して、生まれて来たのに…なんにも、助けになんてなれてなんかないよ
全然…これっぽっちも、なんにも…出来てないよ……」ぼろぼろ
赤い布を口元に寄せ、必死に涙を抑え込もうとするも出来ず
何とか必死に言葉を紡いで、気を逸らそうとする
しかしそれは逆効果のようで…涙はより一層止まることなく、止め処なく逆に溢れては滂沱の如く流れ落ちる一方となっていた……
ぎゅうっ
その言葉に…
そっと、顔を寄せ、抱き締めてくる人がいた
ケイト「!!(瞠目)
おかあ…さん」
『一緒に居るよ』
ケイト「ゴシゴシゴシゴシ!!)←乱暴に左腕で拭う
……←瞑目したまま腕をどけて前を真っ直ぐ見る
うん!」微笑し頷く
その言葉に…
ケイト「そうだよな…
泣いてたって、変わらない
(二度と帰ってこない
早く死にたいって願って自殺したって会えやしない)
変えれるものを、変えていく
少しでも――…ほんの少しでも……同じ想い(痛み、哀しみ)をする人を減らす!
その方針に、変わりはない!!」
この世に居れる時間は限られている
それは誰もが同じ
だから…
少しでも泣く人が、苦しむ人が、減るように、出ないように…下地を整えて行こうと、歩みを踏み出していった
曾祖母の予言
『遠き昔、古より伝わりし神々はここに舞い降り、全てを消すだろう
そして――生きるべき全てを蘇らせ、楽園へとするだろう
その折に、ヘレイオス街に居る皆は居ない
予言の子を除き、全て死に絶えるだろう
しかし…その予言の子は、全てに光を与え、命を与え、芽吹き、息吹を吹き込むであろう
遠き、果ての無い未来へと―――希望溢れる夢へと――全てを誘って―『幸せ』という道へ』
ほほほっ
そう、予言を残し、見た予知夢を書き止め…最期に笑った
そして――今に至る―――
決戦の位置…
僕達が、ラスト・ブレッシングフローを撃つ際に
全ての生(せい)から放たれた光と共に集った場所
それが……ヘレイオス街、精霊の都アルルェーチェがある位置だった――
当時、神国は異空間にあった…
しかし……
土地としては、その場にあった
その場に集まった