第89章 堆魂の儀(ついこんのぎ)
「お前のせいで義兄は殺されたんだ!」
ケイト「!」瞠目←予知夢で見た為、現実になると理解し固まる
「お前の姉もな!」
「とっとと死ねよ!」
ケイト「…っ」涙が滲み俯いたまま何も言わず拳を握り締める
心を壊せば操り人形に出来る――
そんな想い以外何もない街で、口々に罵倒され続ける
『いつも通り』――誰も叱らない中…
一人が足を踏み入れた
フォボス「何やってんだ糞ガキ共ぉ!!!!」ぎいいいん!!!!
『!!!?』びくぅっ!!!←身を縮こませて振り返る
フォボス「寄ってたかって女泣かせて楽しいか!!!?
お前みたいな糞ガキは帰ってママのおっぱいでもしゃぶってな!!!悪ガキィ!!!!」神威剥き出し
『ひっ…』
主犯格「逃げろおおおおおお!!!!」
『わああああああっ!!!!』
蜘蛛の子を散らすように逃げ去っていった――
フォボス「いつまで泣いてんだい…?」
ケイト「ピクッ!)…」肩を震わせる
フォボス「泣き虫は嫌いだよ!!」
ケイト「泣いてない!!!」
フォボス「ほお…
悪くないね(にやっ)
それで…?
義兄を殺されたって?」
ケイト「ぐすっ)………言わない
死んでも、絶対に」涙目&フォボスの双眸を睨視
当時のケイトは、現実になって欲しくない為、口が裂けても言わなかった
フォボス「…‥…
そうかい…
訳ありか(頭を掻く)
仇は討たないのかい?」
ケイト「!
…え」
フォボス「殺されたんなら仇がいるだろ?
討たないのかい?」
ケイト「…‥‥……(わなわな震え)←拳をより一層強く握り締める
‥……
討たない」
フォボス「ほお
そりゃ何故だい?」
ケイト「…‥
あいつは…
お兄ちゃんは、言ったんだ
「お前の憎しみも、晴れればいいな」って…←5184,5185ページ参照
殺した相手に、殺してくる相手に対して……
それを…――全部、知った上で!!!(ぎゅううっ!!!)
私に対しても、言ってたんだ…
「少しでも…お前の中の憎しみを晴らせたかな」って!!
だから…!!!
だから……!!!!
やらない!!!!
あいつの意思を無下にしてまでしたいと思えない!!
あいつの想いを…私だけの、勝手な、ただの自己満足で穢したくなんかしたくない!!!
あいつの意思を無下にしない復讐なんて無いんだよ!!!!!!」