第87章 神化(しんか)
癌にとって、創世神…中でも原初の始祖神は、格好の獲物だ
これ以上――浪費をさせたくは無かった
心も、魂も、命も、残りの寿命も……
そんな人達の為なんかに、二度と削って欲しくないし、削らないで欲しい
その想いを込めて、一言一言丁寧に伝えたつもりだ
ケイト「重んじるものを…間違わない」
フィン「どこがわからない?」
ケイト「全部わかんない」だばーっ
だああー!!
跪いたままのケイトに、目線を合わせる為に跪いていた訳だが…ケイトの言葉に文字通りズッコケた
フィン「全…部…
ははははは^^;」苦笑
ケイト(重んじるもの…全部じゃダメなの?)ぐるぐる←パンク中
ダメだ、このままではまた利用されてしまう;
フィン「そうだね…←顎に手を当てて考え込む
(随分煮詰まっているようだし、長い言葉を処理出来るぐらいの余裕なんて君には無いだろう。
心身共に疲弊し切っているし…う~ん)
簡略的に言おうか(微笑)
「人の優しさに依存する怠け者(癌)」に手を貸すな(真剣)
どうにも出来ないことより、出来ることに費やせ。
労力と時間の無駄だ。
勿体無い」
ケイト「自分に出来ることをやる」
フィン「それは君から教わったことだ」
ケイト「!」
フィン「僕は…君に守ってもらったよ?何度もね^^」にこっ
ケイト「……
っ//」じわっ
フィン「だから自信を持ってくれ。
僕も、君も、生きている。
そうなるようにと頑張ってくれたのも、よくしようとしてくれたことも、わかっているし、伝わっているよ?
十二分にね^^
だから…もう、自分を許してやってくれ。
どうにもならない癌の為に、時間を、労力を、心を、費やすのを…
今後は、もうやめてやってくれ。
自分の為にも…僕達の為にも……
これは強制でもない…ただの…僕の想いであり、願いだ。
無理に聞き入れる必要も、自分を押し殺す必要も無い。
ありがとう(ぎゅうっ)←抱き締める
十分頑張ったよ。お疲れ様」微笑み掛ける
ケイト「ぶわっ!!)っ…
~~~っ(ぼろぼろ)←滂沱の涙
う…んっ…
ありがと」ぎゅうっ←抱き返す
フィン「大丈夫…」
ケイト「え」
フィン「ずっと、傍に居るから」微笑
ケイト「……
ありがとう」微笑
閉じ込められることへの不安、それらが崩れ落ちて払拭されて行くのを感じた