第87章 神化(しんか)
フィン「出来ないことだとわかったのに、出来ない出来ないわーんと泣かれても困るんだ。
出来ない自分も赦せ。そして自分を愛せ。大事にしろ。それが君に課せられた課題であり急務だ」
ケイト「一番苦手でやりたくないものを;」たじっ
フィン「出来なければ僕達の寿命まで減るんだが?」腕組み&じと目
ケイト「うっ;」ぐさっ
フィン「何も命が惜しくて言っているんじゃない。
君も僕も後悔するから、後悔先立たずにさせない為にも忠告しているんだ。
わかるね?」双眸を覗き込んで真剣な表情で問い掛ける
ケイト「真剣な表情で頷く)うん。
本当に私のことを大事に想って、心配して言ってくれていることも、ちゃんと伝わってるよ?」
フィン「ならいいんだ(微笑)
後の選択は…君に任せるよ?
信じているからね^^
ケイト「大好き。愛してる」ぎゅむうううう
フィン「一生べったりかい?^^;
ケイト「うん」こっくり
フィン「あははは…^^;
弱ったなあ。
…リヴェリアに殺される;」たらーり
ケイト「あ…リヴェリア;」たらーり
リヴェリア「お前の言葉には概ね同意だ。
だが…敢えて一言を付け加えさせてもらおうか。
出来ないことを無理にしようと頑張り続けていたらそれこそしんどいし辛いだろう。寿命もより一層縮むし、自分で自分をいじめてしんどい、それでも何とかしたいと無理を犯し続ける馬鹿者と何も変わらん。
これに懲りて、二度と無茶はしないと誓ってもらおう」嘆息
ケイト「一言じゃない」ぽつり←顔が引き攣っている
フィン「こら;」ひそっ←肘で小突く
リヴェリア「お前達の想いは十分わかった。
だが敢えて言わせろ。その想いは私も同じであると。
そして――共にずっと居るのは、私もだということを忘れるな(ぎゅうっ!)
絶対にだ…いいな?」真剣←顔を覗き込む
ケイト「……(呆気)
うん…(微笑)
ありがとう^^//」
ぎゅうっ!←抱き返す
癌に対しての申し訳なさ、助けられない不甲斐なさ
癌への慈愛と慈悲、癌への憎悪と怨嗟、魂の生みの親としての責務
ケイトの中にあったそれらが、虚無へと消え失せていった
責任を感じる必要は無い、本人は本人らしく最期まで生き切った
ならば言うことも成すことも何も無い
そう考えを固めた
ようやっと前に進めそうだ――僕もリヴェリアもケイトも自然と笑みが浮かんだ
