第87章 神化(しんか)
少しでもそれが契機(きっかけ)になればいい
重苦しい重荷から、解放されるきっかけに――
フィン「いくらでも受け止めるから、いつでも言ってくれ」
ケイト「結婚して下さい!!!!!!!!!」
フィン「うん…してるよ?^^;」
ケイト「して下さい!!!!」
フィン「うん…やろうか」
ケイト「うん!!!!!
ずびびっ!!
ひっく、ぐすん」
抱き締めたまま、僕の胸に顔を埋めたまま…ようやっと収まりが見え出した
光明が―――
真っ暗に近しい程の近況ばかりだった
だからこそなのだろう…
あそこまで思い悩み、考え、深く…捕らわれ出したのは
だがそれももう終わりだ
忘れないように、何度でも言い聞かせればいい
忘れたのなら、何度でもぶつければいい
たとえ触れられなくとも、潰されても構わないから玉砕覚悟で無理やりにでも触れればいい
その為なら何でもしてやる
絶対に離さない――
ひとりになんか、絶対させない
そう、心に決めた
新たに
抱き締めたまま
ケイト「死んじゃうよおおお;;」
フィン「死なない
意地でも死なない
だから…
気にせず頼ってくれ
もっと自由になってくれ
心に」
ケイト「キスしたい」
フィン「うん…やるけど
(ちゅっ)
直近の欲ばかりじゃなくって、将来の欲もいくらでも出して」
ケイト「一生べったり」ぎゅむううううううう
フィン「ンーーーーー…それは…ちょっと、難しいかな?^^;」
ケイト「けちいいいいい」
話が違う!とばかりに泣くケイトに、僕は唇を落とした
フィン「それ以外なら何でも聞くよ?」
ケイト「愛してる…」
フィン「うん」なでなで
ケイト「愛してる!」
フィン「僕もだ^^」
ケイト「ひっく…
別れたくないよお」ぼそ
やっと出してくれた本音…それと共に出てきた涙、痛切な涙と声が物語っていた
引き継ぎはする
でも…それ(別離)だけは嫌だ、と
触れられなくなるのだけは嫌だと
何とかならないの?
なるなら苦労してない
膜越しにしか触れられない
フィン「愛してるよ」
ケイト「私もっ…ひっく」
直接は触れられない…
それだけは確かなんだ
だから――痛いんだ
尚更に、触れて共に居たいと焦がれるんだ――
たとえ…どんなに避けられなくてしょうがないことでも――――