第86章 紡ぎ
ティオナ「魂の味…ってあれ?;
美味しくなってないんじゃ?
今は」
精霊王補佐「え?
…(もぐ)
いえ、普通に美味しいです
味に変化は見られません」
ティオナ「それよりも精神的に大丈夫なの?あれ」ひそ
ティオネ「あんたが昔のことツッコむからでしょ」
ティオナ「えー!?でも私だけじゃなくってティオネだって」
フィン「その辺りでやめてくれ
で…?
魔力に関して何かしら鍛錬したのかい?
魔闘とか…教えてくれただろう?僕等に」
ケイト「あ…(そっちのことか!)(はっ!)←早とちりだと気付いた
ごめん!;
昔のことがどうしても切り捨てられんで、忘れ切れんで、つい勝手に出てきてしまってた!!;(合掌し平伏)
これまで教わってきたことは?と言われたら…
大人からも子供からも四面楚歌で誰も…助けてくれなくて、色々………
あり過ぎて…さ」ぽつり←腕をだらんと下げて、暗い表情で肩を落とす
ぽんっ
フィン「よしよし」
僕が頭の上に手を置き、撫で回す中、論点を戻された
ティオナ「美味しさの秘訣を聞きたかったんだけど…;」
ケイト「ごめん!;
う~ん…そればっかりはわからないんだよなあ;
本人の気質と言うか、何と言うか…;」うう~ん←顎に手を当てて考え込む
ティオナ「そもそもが精霊達の御飯が魔力だってことは知らなかったしね」
『うんうん』二度頷く
リヴェリア「清浄な魔力、だったか」
アイズ「うん…それを吸って回復していくんだって
お母さんが言ってた」
『ほお』なるほど
フィン「そうこう言っている内に着きそうだね
出迎えもいることだし…
今も…その意見は変わりないかな?」
ケイト「…え?」
フィン「この世が…憎いかい?
怒り…憎しみ…怨み…なんて次元、遥かに逸脱していることはわかり切っている
それは…今でも?」
ケイト「………
半分ぐらいは、ね?
でも……それだけじゃないことを、知れたから
傷は癒えないし、無かった頃には戻らない
無かったことなんかには出来ないから
でも…生きて、俺に出来ることをやる
そう…決めて、生まれ変わる選択をしたから
それで…どんなに、報いを受けるべき人が、罰を受けるべき人が、得を得ることになろうとも……
それが嫌だったから…早く死にたかったんだけれどね……
今じゃ…落ち着い、てきてはいるかな」思案