第86章 紡ぎ
ケイト「皆で作り上げたものだ
色んな想いを負った、傷を与えられた
それでも…大事なものに会えた、沢山知れた
数多の体験が、皆が…ここまでにしてくれた
俺だけじゃない…
大事な人達と紡ぎ上げて、作られたものだから
だから…ウィービング(織物)
大事にしたい者達、それは全員だから…
それを忘れないようにと願いを込めて…
そう、名付けたい
俺達そのものだから」微笑
…って、言うのは言い過ぎかな?^^;あはは
そう最後に付け足して言うケイトに…僕等は頭を振った
君がいてくれたから、僕達がいる
僕達がいてくれたから、君がいる
そう――わかったから
伝わってきたから…
むせ返るような、慈しむ気持ちが…
人を大事にすることは、自分を大事にすること
自分を大事にすることは、人を大事にすること
だからこそ…どちらも同じぐらい大事にしないといけない
どちらかに偏ってはならない
誰かを粗末に扱うことは…巡り巡って、自分を粗末に扱うことだから
それを…突き付けられたように感じて、僕等は息を呑んだ
当たり前のことだというのに…
言語化されるまで、深くは認識しなかった
改めて認識し直すと共に、二度と忘れないように、記憶の奥深くにまで刻み込むように意識し直すことにした
ケイト「だから…本当に、ありがとう//(微笑&涙目)
それで、ありがとう、って名前にしようとしたら反対受けてさあ(むむむ)
どうしたもんやら困りあぐねてたんだよ」むう~←唇を尖らす
『ぶほぉっ!!』
そんな名前にされたら困るとばかりに吹き出した
『らしいんだよなあ』
『なあ』
ほんとにそっくり、とばかりに
原初の始祖神を知る皆は皆、一様に頷き、笑みを浮かべていた
困ったもんだ、とばかりに…嬉しさ半分、気恥ずかしさ半分、といった感じに……
そうして――アイズとの2人きりの時は続いていった
ギリギリの攻防から、休憩中の安らぎまで、落ち着いた一時を共に過ごしていた…
今後、中々作れないことはわかってはいたから…
ひっ迫した状況が続いていたこともあって、余計に作ろうとアイズが躍起になっているようにも見えた
それはケイトも同じだったようにも思う…
愛おしく想う気持ちは――大事にしたい想いは――相手の幸せを願う心は―――同じだから―――^^//