第86章 紡ぎ
真剣な表情で、眼差しで、はっきりと答えを示した
アイズ「………
えっと……
………←顎に手を当てて考え込む
悪人だけ消したらいいって訳じゃない、ってこと?」
『そう』頷
アイズ「悪人を…善人だと信じ切っていて、善人だと思えと歪めるように求める人が居るから?」
ケイト「ああ
その人達もまた、癌になる
だから…消える」
アイズ「!
……そう…
汚染の元となるんだね」真剣
ケイト「ああ←頷く
……
だから…
こんなこと…言いたかねえけど……
この世が、汚染の元となる
温床となっている事実は、切っても切り離せない
だから…この世ごと消す
その為にも…まずは、汚染を拡げる人々から絶たねばならない」
アイズ「急がないと、だね」
ケイト「ああ…
でも……
根は善い人だから、悪人に類別されないケースもある
……そこを何とかしつつ、消す…癌を善だと歪めるよう、人にまで押し付ける
負担を減らそうともせず、見向きもしない在り方を、善だと歪める
そんな在り方は、善ではないし、あってはならないし…癌化を拡げるだけでしかない
汚染を拡げない清浄な人だけを除いて…消す」
フィン「……この世ごと、か」
ケイト「自分のしたことを自分で負える人
が、汚染を拡げない人
大事な根幹なんだよそれが
人として
生きていく上で欠かせないもの
大事なこと
行為
人からの好意を蔑ろにせず、一方的な利用と搾取で完結しないこと
癌の中身が己の魂の膜を破り、流出した中身もまた他者の魂の膜を破る
次第にそれが拡まり、世界規模で破裂させる
他者の迷惑をかえりみず、見向きもしないままに勝手を押し付け、振り回している自覚もないままに暴走を繰り返し続けるばかりで、他者へのお返しを軽んじる
それを善だとするばっかりに…汚染を拡げる癌となり、消える存在もまた増える
癌を好き、癌と同じ暴走を取った時点で
どれだけ清い存在であっても…神であっても、同じことだ」
フィン「そうか…
じゃあ…いずれにせよ、全てを消さなければならないんじゃないのかい?」
ケイト「…………
それは…」
フィン「だろう?
可能性を言い上げていけばキリがない
だから…機会(チャンス)を与えて、見極める
消さなければならないのはどれか…それが今回はこの世だったと」