第86章 紡ぎ
あー…
なるほどね……
つまり…
汚染を拡げている人間が、
他者を重んじたり、慮って負担を減らそうとしたり…
そういった他者へ意識を向けるという行為、見るという行為から取れない
だから慮りようもないし減らせるはずもない、大事になんて出来るはずもない
あくまで自分にとって大事にしたつもりであるというだけであって、一方通行な押し付けでしかないし自己満足に過ぎない
なるほど…
フィン「うん…消すしか無いね」
ケイト「だろ?」ごくごく←水を飲む
アイズ「?何の話…してるの?」アリアと一通り会話を終えた所
『あー……』
ケイト「人間ってね…
まともな人もいるけれど、非常に少数なんだよ
で、その人達は、人を見る行為を取れる人間なんだよ」
アイズ「首傾げ)?…うん」
フィン「だから…人間達が、自分達の意志で、汚して回っているんだから、どうにもこうにもしようがないんだよってこと」
ケイト「いたちごっこなんだよ
どれだけ掃除しても掃除してもそれ以上に好き勝手にして汚すんだからさ
すぐ元通りの汚部屋になります」お手上げ肩竦め
アイズ「………なる…ほど?(首傾げ)
何の話をしているの?
部屋?世界?どっち?」
ケイト「いや…部屋はたとえで、世界の話ね?
この世を消さないといけないのは何でかって話」
フィン「要は汚す人達の意識次第で変わるんだが…
本人達の意識が変わらないからどうにもしようがないと話をしていたんだよ」
アイズ「……あ!…
Foolestって言っていたのも…それで?」←4992ページ参照
ケイト「うん…最も愚かな質問だって意味でね
この世の形態を、自らそうして、それに準えて動いている人達も同罪
自分で選び、行動に移しているんだから、その責はその人達にこそある
その人達に取らせるべき咎、罰であり責任って訳だ」手を組み真剣な目でアイズの双眸を見つめる
アイズ「うん…←席に着く
この世を消すのは…悪い人間達だけを消す、には出来ないの?
ケイト「出来ん」
アイズ「どうして…?」
ケイト「…‥…………
悪い人間達を好くものも、中には居るからだ
この世を汚染する者達は2種類存在する…
自ら汚染を拡げる癌か
癌を好き、癌が善だと凝り固まって押し付けることで汚染を拡げる癌の手先、癌となる善人か
2つに1つだ」