第86章 紡ぎ
ケイト「へえ…空も?」
精霊王「ごほん、訂正する
大地を汚染し、空を汚染し、海を汚染し、自分達で住めない環境を作り、死の星にして自ら滅んだ
それを洗い流す為、浄化して再び住めるようにする為に、神々は一丸となって大洪水を起こした
というのが正しい起源だ
10万年――
大昔の頃、悪しきヒューマンは争いを繰り返し、全てを汚染し滅ぼす愚行を繰り返していた
そして…それを見て胸を痛めた原初の始祖神が涙を流し、深海にて始祖神の涙という神域を作り出した
それからだ…
悪しきヒューマンに追われ、後は狩られるだけという状況にあったヒューマンを、
始祖神は始祖神の涙を通して、モーゼの滝の如く助け、長き時を経て助けられたヒューマンは海底人へと変貌したのだ
それぞれが、それぞれの守り人だった
正確に言うと…守り人として過ごしていく内、神域の影響を受けてヒューマンが進化したことで生まれた種族という訳だ
ヒューマンだけが違った
守り人には選ばれなかった子孫の証だった
だが…5000年前…再び、人類は愚かにも同じ過ちを繰り返した
そして――魔神が生まれた
あの当時…←2036ページ参照
汚染に汚染を帯び、闇の塊によって汚染された神が自ら汚染した人間に寝返り全てを滅ぼす魔神と化した
魔神が作り出した兵器は全てを無に帰すまで、暴走を続ける…はずだった
だからこそ――神の力(アルカナム)を使った時点で、天界に返されるシステムが生まれた
汚染された神の力は魂をも汚染し、穢し、魔神と化す――必ず
わしは5238歳←1041ページ参照
ちょうど5000年前に精霊王になったのは…魔神の封印の際に、先代の精霊王が犠牲にならざるを得なかったからだ
わしが生まれる前…その時点で、次世代の原初の始祖神が生まれることは確定していた
それが――遠き先であることも、承知の上だった
原初の始祖神の分身として生まれたその時から―――全ては定められていたことであった
世界樹が移動したことも…全て……
お前と出会い、
ヘレイオス『…ありがとな^^』
ケイト『…ううう』←赤ん坊時代
育て、
ケイト『^^』頬を舐めてくる狼と肩を組む、他の守り人達とじゃれ合う姿が浮かぶ
守る為だ―――」真剣な表情で、前に座ったままのケイトの双眸を温かで真剣な目で、真っ直ぐに見つめる