第85章 エラー
ケイト「私は…私が惚れてて欲しい人に、惚れてもらっていたら…
大事に想ってさえ、考えてさえくれてたら…それだけで何も要らねえよ//」ぽつり←耳まで真っ赤
フレイヤの愛を要らないと、全く欲する素振りも見向きも一切なく、はっきりとフィンだけを見据えていた。
フレイヤ「欲しい…!!//
(やっと見つけた…
ウレイオス(神界での始祖神の呼び名)…
いいえ、ケイト…!
私だけのオーズ(伴侶)!!////」
ケイト「私の行為を!!金で汚すな!!」
その結果、半分をロキ・ファミリアに寄付、もう半分を神国の建設の為に使用した。
一切その金には手を付けず、自分にとって必要なものはクリエイトで作ったりしてで補っていた。
結果、名声は更なる膨れ上がりを見ることへ至った(本人は望んでない)。
かつての「シル」はフレイヤの眷属となって彼女の侍従頭ヘルンを務め、フレイヤにだけ変身出来る魔法を得て、心身をフレイヤと共有するようになる。
その為、自身も癌に心惹かれてゆくものの、フレイヤへの過度な敬愛から「女神を小娘へと堕落させる癌」に対して許せない想いが膨れ上がり、殺意を抱くようにもなる。
オラリオから別の大陸へ引っ越す、恐らく二度と会うことは無い、オラリオへ戻ることは決して無い、と伝え、
最後ということもあって…癌へ好意を伝え、告白をした。
そして真剣に考え、正式に振られた。シルとして――
フレイヤが化けたシルの真似も、もう終わり…
女神の威光のまま…
シル「これで…)
…やっと、解放された……」ぽつり
音速飛空艇の中に入り、
特別席であるキューイという神竜(2010ページ参照)の背に乗り、風を浴びながら…
一言、風が激しく音を立てる中…誰にも聞こえぬ声を響かせた。
ようやっと、という想い故の吐露。
その声は…キューイだけが聞いていた。
シル(小娘へと堕落させる癌から
女神から小娘へでなく、小娘から女神へ再び昇華してくれる存在(ケイト)へ………
ありがとう…メシア……
堕落させる癌の魔の手から、救ってくれて…)
パリパリパリン
小さな亀裂が、シルとしての姿を形作る光に入っていき…
何かが割れていく音と共に、粉々になって溶けていく。
…ヘルンという形へと、元ある本来の姿へと、戻って(還って)いく――