第85章 エラー
ケイトの場合、オーズと見初められた。
にも拘らず、物怖じせず、調子にも乗らず、一貫した態度を取り続けている。
私は私だ。変える理由も必要性も、私が決める。
今回のそれは、私が私であることを曲げる理由にはならん。
えらそぶる理由など、何にも要らん、何であってもならん。
欲しいと…心底思った。
それさえ手に入れば何も要らないと、本気で思わされた。
全てを捨ててでも手に入れようとした…
でも…
ケイト「捨てるな」
彼女(ケイト)は言った。
ケイト「お前を信じてついてきたものまで、勝手な判断で、浅慮で、するな」
面と向かって、物怖じする訳でもなく、真剣な表情ではっきりと言った。
ケイト「手に入れたきゃ、真っ向からぶつかっていけ。
それで無理なら…しょうがねえだろ」
フレイヤ「諦めないわ…
たとえ、どんなに灸をされても…殺され掛けたとしても……
あなたを…愛しているから」
ケイト「ウレイオスとしてか?」
フレイヤ「違う…
それだけは言えるわ。
あなたという存在…そのものに惚れたのは確か。
だから…どれほど無下にされようと、見向きもされなかろうと…必ず、あなたの傍にいるわ。
たとえ…あなたの優しさに、付け入る形であったとしても…
それ以外は何も欲さない…それだけは信じて」ぎゅうっ
胸元に飛び込み、左胸に右耳を付け、胸元の服を両手で握り、離すまいと掴んだ。
ケイト「……(瞠目)
…(ぽりぽり)←右手で頬を掻く
…そこまで言われたら…断り切れないじゃんか…」ぼそり
重婚を、押し切った。
魅了を全開で使っても、あほかと一蹴された。
私のことを伴侶(フィン)と想う程に魅了されるはず…?
ケイト「そんなんで見間違えて堪るか!!
私は…あいつのことが好きだ!
大好きだ!!
この世の何にも代え難い存在だ!!!
私には勿体ないぐらいの存在だ!!!!
それを…勝手に、他の人に重ねて、好く訳ねえだろ!!
どんだけ魅了されようが関係ねえ!お前はお前だ、馬鹿野郎!!
私は…!!フィンの魂に!!!丸ごと惚れたんだよ!!!!
他の奴に惚れる訳あっか!!!」きっぱり
フレイヤ「ふふふっ…」
全然媚びない、へつらない
ケイト「知るか!私が私であることは変わらん!!」どきっぱり
その姿勢に、変わらぬ生き様に…益々惚れ込んでしまった……