第85章 エラー
昼ご飯中、椅子に座ったまま語った
ケイト「俺は…始祖神になるのが恐いよ…引き継ぎ業務をしたら…俺は…俺で、いられなくなるのかな…
そんな不安が、よぎっては仕方なかった
この想いも、自身であることも…何もかも、消えて無くなるのか…
と、そんな想いが、止め処なく溢れては止まらなかった……
ただ…無性に怖かった……
自分であることも、お前達への大事だと言う想いすらも、何かに染まっていって、消えて行ってしまうのかと
呑まれて、消えて行って、自分であることも忘れて…道具のように使われて、使い潰されて、消えて行って、死んでいって、笑われて、
苦しくて堪らない中で、我関せずで笑われて……
それが…ただ、ただ……(声が口元と共に震え出す)
(ぽとっ)
哀しくて、苦しくて、やり切れなくて、嫌で…堪らなかった
自分であることを捨てなければ…自分の欲求も、想いも、全部捨て去らなければ、守れない
なら…取ることに迷いはない
でも……(項垂れ俯く)
臆病風に吹かれてるようなものなんだろうな……これは…(くしゃり)←前髪をかき上げながら無理に口角を上げる
笑われたって、仕方ないよなあ(ぼろぼろ)←涙が双眸から落ちていく
俺は…嘘つきで、約束破りなクズだよ
二番目に、「お母さんを守って!」と言われて、「わかった!任せろ!」って二つ返事で約束して…
産まれて来たくせ…なんにも、守れてさえもいない(ぽろぽろ)
俺は…皆が想うほど、自分のことを大事には思えない…大切な存在だなんて、絶対に…思うことは出来ない
ましてや好きだなんて、愛そうだなんて……あり得ない…あり得る、はずが‥…無い(ぐすっ、ずずっ)←歯を食いしばり、鼻水をすすりながらも、鼻を伝って次から次に大粒の涙を流し落ちていく
だから…自分に消えて欲しいし、死んで欲しい…
その想いだけは、揺るぎようがないんだ
出来るはずがないんだ…絶対に――っ
(ごしごし)
少しでも早く…死にたかった…消えたかった…
そうすることで…始祖神が、皆が…いいようになるんなら、それでよかった
どうだってよかったんだ…自分なんか……
俺にとっては…私にとっては…要らないものなんだよ
だから…怒ったんだろうな……(ぽろっ)
そんなこと、言うなって…(微笑)
今は…違う……あったかいのが、一杯…流れ込んできてる」
