第84章 竜の巣
『そんなことがあったのか…』
そう話をしていた間
よじよじ
ケイトの両掌から右腕を登り、頭を登り、途中何度も滑りそうになりながらも…
話し終わると同時にようやく頭の上に辿り着いて、満面の笑みで立った
白竜「きゅー!^^♪」
ケイト「はははっ^^
可愛いなぁ」くす
フィン「どうやら気に入ったみたいだね、君の頭の上が」
リヴェリア「母親だと思っているのではないか?」
ケイト「え゛」硬直
『あり得る』うんうん
エル『卵を孵したものを本能的に親と思うようです』
『へえ〜』
ケイト「でも水深一体何mあるんだろう?」すっ
水の上に片膝を付き掌を水面に当て前屈みになることで、水竜もまた水を覗き込む形になる
ケイト「皆見て!!!」
慌てたような声色で、水底の光景が映し出された
ガレス「50mもあるのか…天井までの高さは5mだというのに」
ケイト「そっちじゃない!;」
『これは…
卵?』
ガレス「それも無数にあるぞ」
アイシャ「数え切れない」
メイ「うじゃうじゃいる」
エル『なるほど…
産んだ数を調整したのではなく、産む場所を変えたと?』
ケイト「え…」
フィン「なるほど、水中なら卵が孵る心配は無いからね」
リヴェリア「気兼ねなく出来るということだ」
白竜「きゅ」よく見ようと身を乗り出す
ぽちゃん←水中に落ちた
ケイト「わああああああああ!!!!
大丈夫かあああああ!!?←必死に水面を手で掘る
ピー助ええええええええ!!!」
『え?』
アイズ「それ…って」
ティオナ「白竜の名前?」
ケイト「え、いや…なんかしっくり来て;
それよりも無事か!!?」
エル『大丈夫です。
主に水中で過ごし、産まれたばかりでも泳げ深海に行けるくらい酸素を取り込む器官が丈夫なので。
水陸どちらでも呼吸が出来るんですよ』
ケイト「ほっ)
よかったあああああ」
リヴェリア「安心するのはまだ早いぞ」真っ青
『きゅーきゅーきゅーきゅーきゅー』50もの群れが顔を水面から出して鳴く
ケイト「わああああああああ!!!!」
リヴェリア「やはり卵に触れていたか」
エル『好奇心が強い種族のようですしね。
(はっ!)待って…下さい;←わなわな震
500m掘ったと記載が・・;』
『!!!』さあああっ!
ケイト「ってことは450m分…;」
夏のセミの鳴き声よろしく、水竜の鳴き声が響き渡った
