第84章 竜の巣
クルト王国では漁獲をしていて鍾乳洞を利用して暮らしていました
そんなある日、水竜がやってきて
水竜「きゅーいきゅーい」
「ん?」
「なんだ?こいつ」
水竜「きゅー^^♪きゅー^^♪」
「ははっ、笑ってるぞこいつ」
「可愛いなあ」
『ははは^^』
それは襲ってくる気配もなく、寧ろ自ら体を擦り付けて擦り寄ってきて、とても嬉しそうに、心地よさそうにしていた
ので…何ら抵抗も無く受け入れた
リュー「受け入れちゃったんですか!!?;」
エル『受け入れたんです;』
そして可愛がっていると、次から次に増えていった
自然と卵を産んで…自ら作った窪みに纏まるよう産んでいった
竜が卵に触れた途端、触れた卵だけが孵ると同時に、その隣にあった卵に産まれたばかりの竜が触れて同様に孵って、あっという間にぽぽぽぽ~ん!と全ての卵が孵って…
余りに増え過ぎたので悩んでいた所…それに気付いたのか……
自死したんです
『したの!!?;』
エル『したんです;』
すると魔石も残らず全て肉になり、優に10日は凌げたという
当時5000人の国家でした
「折角大きく育ったのに」
「そんなことしないで欲しかったのにっ!」
と滂沱の涙を流し、哀しみ、落胆していた所、それを見て…卵を産むのを控えてくれました
大好きな人が哀しんでいるのを見て、気遣ってくれたようです
大きくなると全長3mにもなり、でも体重は変わらず泳ぎはぐんっ!と速くなりました
どこからどこまでも自由自在に泳げ、体力も底無しで何人でも乗せて運べました
しかし…ひとつ弱点がありました
日照りに弱いんです
そんな時、日を避けれるよう人々は手助けしました
元々あった水神様を祀る祠を掘った地底湖、人々の生命線である湖を下に深く深く掘り下げて拡げ、そこで過ごせるようにし、大事にしたのです
水神様が守ってくれるから、と
それを受けた水竜は言われずとも…モンスターが近付けないよう渦を作り、水域を作り、追い払ったのです
魚を取ってきたり、真珠を取ってきたり、教えてやらずとも見て学び、色々と取ってくるようになったのです
共存関係が出来、国は発展しました
ですが隣国が攻めてきて、卵を水ごと桶で移動させて祠に掛け避難させました
「平和な時代に産まれてくるんだぞ」
その祈りが届くのは…5000年も先のことでした
