第82章 光芒(こうぼう)
当主に頭を下げ、次に皆様方に向けて同様に頭を下げる
蓮「お顔を上げて下さい!」
正能「大事にしているものを貰うのに、しない訳にはいかぬだろう!!」
蓮に、そう叫んだ
当主「ぷっ
はっはっはっ!!^^
無礼を許せよ
腑抜けといったこと、取り消す!!
お主の振る舞い、感心すら覚えるわ
くっくっくっ^^中々ない!
だが、家同士の付き合いは今後ないことは変わらん!
大事にするんだぞ!!」
正能「はい!!承知しております!!」
当主「うむ、よい
誰ぞ金子を持て!
嫁入りの駄賃だ!!多目に渡せ!!多目にだぞ!!?」
そう念押しして、渡されてから蓮と共々屋敷から追い出されて行った
当主「二度と敷居を跨ぐなよ!!」
ばたあんっ!!
大きな音と共に、扉が固く閉ざされた
婚姻を結んだ後になってから、教えてくれた
困窮している身であること
もし婚姻すれば、苦労を強いることになること
それが心苦しいこと
だから…別の方に嫁いだ方が、幸せになれるかもしれない、と考えていたこと
だが…それよりも、何よりも……大事なことがわかった、その為に動きたいのだと
馬を最後に回したのは
先祖代々のものよりも、蓮との結び付きを与えてくれた馬が大事だったから
それよりも大事なのが…蓮なのだと、はっきりと言ってくれた
正能「言っただろう…必ず守ると」
蓮「ご期待に添えるとは思えません!!」
正能「それでもよい…」
蓮「えっ」
正能「先祖代々受け継がれてきた財よりも、家よりも、土地よりも…
そなたと私を結び付けてくれた馬よりも……
何よりも……
お前が大事だ」
愛おしそうに微笑み、左手で頬を撫でる
蓮「っ――(じわっ)
っっ
あなたのような方と結ばれることが…私にとって、最上級の賛辞でございます
私も――私も
あなたが好きです
正能様が、好きです、お慕い申しております
お会いした時から、いえ…共に蜜月を過ごした、あの頃からっ!!
ずっと…ずっと!!あなたが――愛おしく、想って、おりました
あなたを――心より愛していますっっ」
ぐすっ、ひっく
正能「私もだ」
ぎゅうっ
蓮「あああああああああああああああああああああああああああああああっっっっっ!!!!!」
家の呪縛から解き放たれた
その日の内に…正能様の手によって