第82章 光芒（こうぼう）

神職者「はっ
ありがとうございます」お辞儀

ケイト「気にするな、俺の為にやってくれたことなんだから（微笑）

感謝するのは俺の方だ
ありがとう」お辞儀

神職者「いえ！滅相も！！

気を付けて下さい
テランは一枚岩ではありません

誘拐もあります
闇が実在できないこの国でも、です」

ケイト「闇と共に消えたか」
神職者「はい
その為に、国内での闇は封じられております

にも拘わらず、です

どうかお気を付けて」

ケイト「わかった
（打ち破られる要因があるとすれば…それを上回る程の魔力か…？」顎に手を当て考え込む

神職者「いつ目があるとも知れぬ故、全く人目のない場所を

誤解させてしまったのなら」

ケイト「いいや、お前が守ろうとしてくれていることはちゃんと伝わっていた
だから気にすんな

ありがとう、本当に
感謝に絶えない」微笑

神職者「お言葉、感謝致します！（お辞儀）

先程は無礼な発言を」頭深々下げたまま
ケイト「国王に言われてたんだろ？
些末なことに腹立てたり取り乱したり下に見ようとしたりするかどうかの試しも兼ねてたんだろ？」

神職者「瞠目）！知っていたのですか！？」顔上げ
ケイト「そりゃ人となりを見定めるのに常套手段だしな
どう見ようとしてるのか、どう付き合っていこうと思ってるのか、優位に立ちたいのか、一発でわかる

国同士の付き合いなら尚更だ


ま、戦争になったら一溜まりもないがな
お互いに

そこを優先できるものとだけと付き合いたいって腹だろ？」何言ってんだという顔で神職者を見やる


神職者「おっしゃるとおりです、深く感銘を受けると共に謝罪致しま←再び頭を下げようとする
ケイト「←それを手で止める

もう謝罪も感謝も受けた！気にすんな（微笑）

楽しもうぜ？
今はさ！^^」

神職者「はい…

どうか……
どうか…ご無事で」
ケイト「おう！」


その頃…

国王「警戒心がないのか！全く持ってならん！！」ぷりぷり
ケイトはどこへ行ったと大騒ぎになっていた


ケイト「で…何で俺なんだ？」

神職者「あなたが最も―魔力に近しいかと」

ケイト「そうか…」

神職者「あなたの『神聖な魔力』を狙わない敵はおりません
狙う敵は五万といます

『神聖な魔力』は――全ての魔力をも凌駕します故、同じ分量でも質が大きく異なります…段違いに」真剣