第80章 願い
どれだけ力を身に付けたとしても…
必ず、不測の事態はついて回る
俺がいるせいで…叶わぬ者もいる
微かな希望も、願いでさえも…
それでも…不要に、人々を脅かすのなら……俺は何度でも止めるだろう………
同じ想いをしてしまう
その事態を防ぐ為だけに……
たとえ、誰から正しくないと言われようとも…何度でも……
それが…俺という道だから
どっくん!!!!!
不意に、鼓動が重なった…
魂同士の鼓動が…
まるで、それに応えるかのように…
俺も同じだ、と主張するかのように……
ケイト「…ありがとう」すっ←胸を押さえ微笑む
ひとりじゃないよ――
そんな声が、微かに頭の中に響いた…
鼓動と共に――
ああ――わかってる(微笑)
ありがとう――――←瞑目し微笑する
俺は何度でも立ちはだかる…
たとえ、どんな立ち位置だとしても……
それが…どんなものを敵に回すことになったとしても……
潰えぬ夢を、願いを…実現させる為にも――
力を――貸してくれるか?(微笑)
当然!!(キラン!!)
力強く答えたのは始祖神――
それを皮切りに、全ての神々が応えてくれた
―――ありがとう(微笑)
…(辛そうに笑みを浮かべて瞑目する)
脈動――
それまでのものとは一線を画す
完全に合致した時にしか起こり得ない現象
原初の神々との合致、呼応は…途方もない威力を発揮する
それが…その意味することが……やっと、わかった
原初の神々と、全く同一の想い(在り方)、道(生き様)をしているのだと……
同一視しろとまで言ってきた理由は…ここにあった
全く完全に一つになる、なれるというのは…異常そのものなのだと
それ程に希少で、貴いのだと…
だから大事にするんだろう…‥決して癌にさせない為にも、染まらさせない為にも……
だから……癌という在り方は決して取らないし、取り得ない…
だからこそ…『あの言葉』に、真実しか宿らなくなる
『ケイトを癌だと言う(違えた認識をする)ものが癌』だと
そればかりか吹聴し、周りも違えた認識を与えて傷付けるよう誘導し繰り返し、ケイトも全ても世界をも脅かす
そうなるから言ったんだろう――『あの言葉』を
全ての意味が分かって…徒労と共に静かに項垂れた
敵わないな――