第80章 願い
エマ「ありがとうございます!!^^//」
心底嬉しそうに笑うエマに、私は笑い返した
周りの皆も、自然と微笑んでいるのが観えた
迷子って言われてたけど、実際には…
道中で横道に逸れてどこ行ったかわからなくなった、ってことみたい
待ち人と言ったのはそれでか(納得)
ケイト「冒険者養成専門学舎まで送るよ」微笑
エマ「あ!ありがとうございます!!」
ケイト「行こうか^^」
エマ&カレン&レオ『はい!!』
あなた(すっかり引率の先生みたいだなあ…)
送り終えた後…
ケイト「それじゃあ、元気で^^
幸せにな」微笑
『ありがとう&ありがとうございました!!』手を振る&お辞儀
写し身の身体に宿った魂もまた、写し身の魂という理に囚われてしまう
それから解き放つには…写し身としての魂ではなく、人としての魂に置き換える必要があった
わかっていたのは…そこまでだった……‥
雨…か……←天を仰ぐ
ケイト「修業が足りないな…」ぽつり
気付けなかった……
ごめんな――←天に向け一言零す
ここまで大事(おおごと)にする気は無かった…
なるとは、思えなかった……
まだまだ未熟者だ…
全部の力を使っても、足りなかった…
もっと……強くなる…
こんな不測の事態に陥っても、何とでも出来るように……
少しでも…皆の負担が、軽くなるように……‥
俺の夢は…二度と叶わない
お母さんと姉ちゃんさえ、ヴェルフィンお父さんとオリヴァお母さんとシルキーさえ
無事で幸せでさえいてくれたら、それでよかった…
もう…共に過ごせない
未来にどう繋がっているかも知れたから今が一番幸せ、と言ってくれた
何より、この世でさえなければ…災いからも、脅かされることからも、神々に守ってもらえる
でも………‥
出来ることなら……………‥
共に…幸せになりたかった…
この世にいる内に
それ以上の幸せを…与えたかったよ………←苦しそうに微笑み、天に笑い掛ける
でもそれは…所詮、無いものねだりだから(すっ)←俯く
何があっても叶わないから……‥
少しでも同じ想いをさせないように、と…
そう…願うしかなかった
もう誰にも…そんな想いをして欲しくないのもあって……
それだけの…願いなのに……叶わないことの方が、余程多い