第78章 火の都
溢れる涙を撒き散らし、想いと想いをぶつけ合い…ぶつかり合った……
何の為に拳を振るっているのか…今では、よくわかる
最後にするから…
そう、言い含められていた
だから――止めないでくれ、とも
この為だったんだね…‥
エピメテウスが…自由に、生きれるように
生き抜けるようにする為に
ぶつける相手はここにいる、受け止めると、そう、示す為に……
誰かからの評価に負けんなと、それでも生き抜けと、激励も込めて――
自分らしくいること
それが生きるということ
守りたかったんだね――エピメテウスを
自分で自分(心)を見捨てる
思考ごと放棄する
それでいながら自分を貫いた気でいる、ペテン師と化した馬鹿やろおから
ケイト「人を守るばっかじゃなくって!
自分も守れよ!!!
自分も!!!守れよ!!!!
守っていいんだよ!!!!
守れ!!!!戦え!!!!!
その為にいんだろうが!!!!!
戦えよ!!!!
お前でいていいんだよ!!!!!
絶対―――ひとりになんかさせねえから!!!」涙
そんな叫びが、耳朶を震わせる…
神器に込められた力が完全に抜け、結界も解けて、入れるようになった
穢れた炎がある吹き抜けの空間、そこに立ち入れないようにされていた神器も、力を失って床に倒れた
だが…僕は静観に努めた
ティオナ「大丈夫!!?」
アイズ「!」瞠目
リヴェリア「どうした?(すたすた)
(ちらっ)←覗き見る
!←目を見張る
これは…」
ティオナ「子供の喧嘩?」
ポカポカと殴り合う2人を見て、呟いた
フィン「いや……
ただの――
心の解放、だよ
自分という名の…ね
どんなに偽っても
偽ろうとしても…
自分の心には、嘘は付けない…
たとえどれだけ付いたとしても、付けたとしても……騙すことは出来ない
ペテン師のようには、ね」くす片目瞑目
リヴェリア「なるほど…
在ろうとした形、理想と現実との差異、矛先の無い感情…
様々なものが爆発した結果、あのぶつかり合いか…
ちょうどいい」
フィン「ああ
ケイトも溜め込んでいただろうからね、相当…癌の件で」
ティオナ「止めなくていいの?」
フィン「止めないでやってくれ…
本人達が、満足するまでは……」
僕等は見守ることに決めた――心の行く末を