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Unlimited【ダンまち】

第77章 新時代の幕開け





聞こえてくる痛切な叫びに、泣き声に、こだまする声に…ホールが震えた



ケイト「もう嫌だあああああああああああああああ
わあああああああああああああああっっ」

慟哭が再び響く


始祖神「……ごめんね」

急にそっくりではなく、本人そのものだと言われたこと
記憶が雪崩れ込んでくる中で、それが事実だとわかっていること

でも受け止め切れず、苦しみ、悩み、足掻き、それでも…どうにかしたかった
でも出来ない
どう転がったって、どう転んだって出来ない

なら何の為に今自分はいる?
何の為に自分は在る?
何の為に、今もまだ生きている?


誰かが消された中で、どうして――?

顔向けも出来ない成果しか残せてないのに?
癌化することそのものを、無と出来ないのに?

…そんな想いが、慟哭に乗せて伝わってきた



奔流とも言える爆音、ならぬ激流に…感情の渦に、為す術もなく泣き叫び、咽び泣き嗚咽を上げる



フィン「きついね…」ぽつり

状況を把握して、思いのままの言葉を連ねた


わかってる…

きついなんて、そんな比じゃないことも
癌化という過ちは、自身で正す外ないことも

神に出来ることは何も無いのだと…信じて見守る以外無いのだと――



やり切れない想いも、やり場のない想いも――全てを無いものにされる前に、捨て置けという話なのだと



自力で辿り着けなければ意味が無い
自力にはならないのだから

癌化に対して、自分自身だけの力で乗り越えなければならない
癌化に対抗する力を、磨き、身に付ける為にも


真に自分を守れるのは、自分だけだ



そう暗に示している



よく出来ているね…世界も、成り立ちも……


だが今一つ、まだ納得出来ていない内容がある
ケイトが消えれば世界が消えるとはどういうことだ?

未だ溜飲が下がらない疑問点に、始祖神へ目を向けた



すると、察していたようで、自然とその答えを紡ぎ出した



始祖神「話すと長くなりますが…

簡潔に言います」

ケイト「ひっく;」震←フィンの胸に顔を埋め、服を両手で掴み縋り付く
フィン「よしよし」なでなで←その背を撫でる


始祖神「私の生まれ変わりは実に9873億年ぶり」
ケイト「鯖を読むな、鯖を」ぐすっ!

始祖神「失礼(こほん)

1兆5000億年ぶりです
次の時に、私が生きていません」


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