第75章 神器、覚醒
ケイト「他をかえりみないで…好きにし続けた結果…」
フィン「ああ
それが要因で人が死んだとしても責任を感じない
だからこその癌だ
僕等原初の魂は、癌とは真逆の立ち位置にある
つまりどう在っても消されない、だが過信して堕落すれば消されるだろうね
そこを予期したからこそ、見えてしまったからこそ、
君はあそこまで躍起になったし、とらわれる結果となったし、暴走することにまで至った
ケイト…忠告だ、今一度聞いてくれ……
あんなものをずっと見て、考えて、理解しようとして、なんになる?
何をどうして、どうやりたい?」
しばらく黙り込み、俯き、逡巡し、吐き出した
胸の内にある、素直な想いを…
ケイト「…出来るなら…誰も消えないで欲しい」
フィン「ああ
だが無理だ
本人次第に依る」
ケイト「…」
フィン「そしてそれは、君の思うようには動かない
でも…それごと愛したいんだろう?
言っていたじゃないか」←3849ページ参照
ケイト「…うん」
フィン「いいかい?
力は…人を、物事を、捻じ曲げ、支配する為にあるんじゃない。
人にかかる迷惑もかえりみた上で、それでも貫きたい場合にのみ行使され、
そして…発生した事柄に、責任を果たすことだ」真剣
ケイト「わかってる…
創世神の力でも、どうにもならなかった…
皆から力を貸してもらって、それでも無理だった;
神々も…精霊達も…皆……自然と…力を、分け与えてまでくれた
行ける!って思った…
でも…出来なかった」
フィン「彼が無駄にしたんだ」
ケイト「!
え?」顔を上げる
フィン「彼が、自分の意思で、無駄にしたんだ」真剣
ケイト「……」ぽかん←開いた口が塞がらない
フィン「彼が、自分で、決めたことだ
諦めろ
君にどうにか出来る問題じゃない、範疇を越えている」
ケイト「……うー;」ぽとっ涙
フィン「だきっ)その優しさも、食い物にする人間だったんだ←抱き締めて頭を撫でる
君のせいじゃない
もう一度言うよ?『君のせいじゃない』
わかるね?」
ケイト「……うん」
フィン「いずれにせよ避けられないことも
ケイト「わかってる
「「だから癌だ」」
フィン「放っとくしか出来ない
歯がゆいけどね」
ケイト「皆にも同じ…なんだね?」
フィン「そうだ」
双眸を真っ直ぐ見据え、断言した