第75章 神器、覚醒
フィン「自分の学びに専念するんだ
そこを疎かにしていては、学びにも何にもならない
もう要点は十二分に掴めただろう?
・自分の正当化の為に他をかえりみない
これは地獄落ちの連中にも共通する基準
・無責任な自己中
だから繰り返す一方だし、癌化から抜け出せない
堕落の一途を辿る
これらでわかる要点は、責任を持つことだ
君は、何を学んだ?」
ケイト「………どうにもならないことは、必ずある」
フィン「そうだね」
ケイト「癌は、なりたくなくて、なったんじゃない
なるべくして、自分で取った言動によって、なったんだ
その責任を果たさない言動から、成長しないで繰り返し続ける言動から、そうなったんだ」
フィン「ああ――
だから―――酷なようだけれど
「「どうにもならない」」
ケイト「いくら追い掛けても、引き留めようとしても…全部無駄」
フィン「ああ、そうだよ…
だから、癌に至る人は、残念だけれど…ほっておくしかない
それ以外には出来ない
精々…癌に染まり加担するもの、癌化を誘導するものを、咎めて止めるぐらいしか、引き留めるしか出来ない
だがそれでも動くだろう…正しいと信じているから……
たとえ――世界ごと消え去られることになろうとも
そこも含めての癌だ
だがそれを縛る法がない
だから――責任を果たせ、と
それぐらいしか出来ることはないだろうね」
ケイト「……‥うん」
ティオナ「結局さー
どう足掻いても、どんなに力を振り絞っても、無駄骨だったってこと?」
フィン「いいや…そんなことはないよ?
第一に…諦めずに粉骨砕身し続けた結果、信頼の証として神器を授かった
それは大きな収穫だよ。わざわざ神々から答えまで頂いたのだからね」
リヴェリア「ああ、そこは重く捉えてもいるし、理解している
だが…我々も気を付けねばならんな…
癌だから、と、軽視してしまう所だった」
フィン「ああ…
あんなものでも命は命だ、その程度ぐらいには扱ってもいいのかもしれない」
アイズ「……
…私は…嫌いになった。
あんな、いい加減な人だとは、思わなかった…
騙されていたんだね…私達」
ケイト「……」
フィン「…本人にその気はないけどね
無自覚なのが実に質が悪い」苦笑嘆息
リヴェリア「それも含めてこそだろう?」
ティオナ「確かに!」