第74章 融和
そして…
僕は、アイズに切り出した…
「癌の魂」「癌の世界」について←3759ページ参照
やってること全てに当てはまっているし…
その上被害の拡大化に努めてしまっている。
そして…手段を頑なに改めない。
自分一人のみの理想、突き通した勝手、
その為だけに、首を突っ込んで、搔き回すだけ掻き回して、事を大きくして、その後始末は全て人へ投げる。
「自分の理想」のみ通りに、自分の思い通りに事を動かしたいだけ。
だが、その為に、無関係な誰かを巻き込むとしても…それを一切かえりみない。
人は、自分を満たす為の道具じゃない。
その点も踏まえて伝えながら…
フィン「たとえ街を滅茶苦茶にぶっ壊しても、人を見境なく傷付けて回っても、「直接的に手を下した立場」にある「癌の魂」が犯罪として処理されず、裁かれもせず
間接的な要因になった人だけが処罰を受け、裁かれる。
直接ぶっ壊した人だけ言及無しに許されて、
間接的にその状況を作った元凶となった集団にだけ処罰を与えて裁かれた。
この時点でわかるだろう?」
アイズ「……」
フィン「彼は、守りたい少人数の為に、不特定多数の大人数を犠牲にし、何もかもを犠牲にしてないかのように笑う
ただの――破壊者だ(真剣)
本物の英雄とは――全てを守ろうとするもの、それで何か発生すればその責任を持つものだ
断じて…
彼のような、天秤を頑なに壊せない人間ではない。
願望、在ろうとする姿勢は、天然の英雄ではある…
だが責任能力に関しては全く違う。
真逆なんだ、在り方そのものが」
アイズ「……ケイトも…そう、思っているの?」
救いを求めるような目でケイトを見やる
僅かに潤んだ瞳でその双眸を見据える
静かな時間が、数瞬訪れる
ケイト「知ってるよ…
守りたい一心で、それが暴走してしまって、周りが見えていないことも。
そのつもりがなくて、だから正しいと思い込んでしまっていることも。
暴走した想いが、その手助けとなってしまっていることも…
だから殺人でも破壊行為でも何でも無罪になる、訳ではない。
無罪になってしまえば、危機感を抱けない、これから気を付けようと思い至れない…
だから…言うよ?
正しい心で悪事をするのと、
悪しき心で悪事をするのは、全くの別物だ。
消さざる人間とは――どうしても思えない」真剣