第74章 融和
『原初の魂』とは…『己に最も近しい神の分体を(魂に)宿す存在』
宿している神の『先祖返り』であり、最も近しい魂である証拠
そして…この世に生まれた時から、分体を魂に直接宿した存在でもある
始祖神も皆も、創世神の力を発揮するには欠かせない存在
元が創世神であることは共通
ただ、『軸』という役割を担うのは『始祖神』でなければ不可能だという点
全ての魂の生みの親なので、
魂を新たに生み出す力を使えるということは、その逆もまた可能
本人が願いさえすれば、再び取り込み、1つの魂となれるということ
そしてまた望まれれば生み出して元に戻すことも可能
すなわち…
元々一つであった時のように、力を結集させれば、疑似的に『創世神の力』を引き出せる。
そして一度…邪魔に成功してしまった世界が、たった一つだけ存在する。
皆から神の力のみ預かり、
己の魂を、霊体を、幽体を、自らの全てを捧げて力に変え、癌の魂を世界ごと浄化してしまった……
邪の一切が存在できない世界にまで、作り変えてしまった――
ケイトは消されるのを黙って見過ごせない。
そこだけは、どう在っても変わりようがない。
命を消すだけならばまた生まれ変わる、
だが、魂を消すのならば存在そのものが無かったことになる=訳が違う。
だから…『始祖神の原初の魂』であるケイトを、一時的に殺して下処理しておくのが通例となった。
彼を助けることを望むものがいれば、再び動くだろうから…二の舞とさせない為に……
余談だが、その世界は時間を巻き戻してケイトを保護した。
勿論、他の魂も皆…
が、世界まではどう在っても巻き戻すことは出来ず、それほどに強力なものとなってしまった。
だからこそ…創世神の軸としての役割を担える
すなわち…他の原初の魂の『神の力』を受けさえすれば、『創世神の力』を引き出せる
神の力を、原初の魂に宿る『各々の神の分体』を元に覚醒も出来る
見過ごせないから、止めようとしてしまう
ティオナ「じゃあ私ならケイトを助けれるってこと?
始祖神だよ?分類は」
フィン「いいや…
始祖神の『分体ありき』なんだ。
類別も大事だが問題はそこじゃない…
その強大過ぎる力に耐えられるのも、たった一つの目的の為に全てを絞り尽くせるのも…分体無くして不可能なんだよ」
ティオナ「…そっか」