第74章 融和
フィン「……
(ああ…
わかったようだね……
どう在っても救えないことが」
そう察したフィンが、
私を慰めるように、そっと横から支えるように寄り添ってくれた…
神々でも救えない…そんな存在への結論を、私は言葉にして紡いだ
ケイト「そんなの―変えられる訳がない
助けられる訳ない
助けてしまえば、沢山の人が傷付く
傷付く現状を、全く痛んでない、こたえてもいない
変えようともしていない、笑って繰り返す
自分の手で、力で、無関係な人を、なんの罪のない人までも――!!
そんな人、救える訳もない
ずるいよっ
なんでそんな人、生むんだよ
どうせ消すのなら、最初から出さないでよ
消される為に生まれたなんて―あんまりだろ――」
涙が止めどなく溢れてはやまない
神様『そこまで痛く、重く、
人の傷を、痛みを、現状を、受け止められるからこそ、
正しく理解しようと、本質を重く見れる人だからこそ、
だからこそ、神の力を持つに値する』
ケイト「傷を殺す行為だから
侵害する行為でしかないから
いい人だなんて言える訳ない、庇える訳もない
それでも―しょうがないだろ
なんとかしたいんだ
あんな想い味わって欲しくない
どっちにも
ちゃんとわかってるよ
わかってるから、どっちも大事にしたいんじゃないか
どっちも救われて欲しいんじゃないか
でも無理だ
だから―苦しい
苦しんでるのに、誰も、わかってくれない、見ようともしない
肝心の見なきゃいけない部分さえ――
だから――神様は付けた
その魂に、存在に、在り方に、「癌」という名を
見逃せない、見逃せば世界が終わる
そんな、どうしようもない存在に――」
神様『あなたは、傲慢じゃないよ
見捨てられなかっただけ
無駄な存在なんかじゃないと、示したかっただけ
きちんと見極めて、前に進んであげて――
頑張れ―――』
ケイト「頑張るよ
絶対に、無駄になんか、させてやるもんかっっ
誰もが忘れたって、ぜったいっっ!」ひっく号泣
私の結論に、神様の言葉に…兄弟は深く深く頷いた。
兄「無駄にしない為、だな」
弟「人としての真理だよね」
フィン「頷)ああ…いっそ清々しいな」肩すくめ瞑目苦笑
兄/弟『ああ^^/うん^^』くす
大事なものを学べた…
さて――殺されようか