第72章 真相

何故あれほどに犯罪行為を散々繰り返し続けておいて、少年院に入れられないのか不思議なぐらいだ。

かく言うこちら（恭弥）は、治安維持に貢献しているし、寄付金も惜しまなかったし、手当たり次第に襲ったりはしなかった（群れてるもの限定）。


だが彼は手当たり次第に迷惑を掛け、かつ、繰り返し、申し訳なさそうに全くしない。

町民だけでなく、
自分がこれまで力で押さえ込み心に寄り添わず虐げてきた連中から、
力で押さえ込まれて放置されたことも一度もない立場のまま、厚かましく力を借りた後もなお同様に…

彼がしてきたことは一種の迫害だ。



それを、悪人ではない、いい人なのに、と狂ったように同じ言葉しか言わせない。

だがそれは思い込み、幻想、先入観、
こういう人だという「願望」でしかない。


本当にいい人なら、人の気持ちや自身が与えた傷を慮り、繰り返させない為に必死になりそうなものだが…

実際の姿は、それとは全く持って真逆、
善人の皮（外面だけ）を被った、「善人という洗脳と毒」を施す魂を持った悪魔だ。


しかし、その「汚染」は魂を消したぐらいでは無くならなかった。



彼のいる世界は全て、
彼のみにとって都合のいい、盲目かつ浅慮な奴隷と強制的にさせ、
他の「彼に対する『人間味』」、その中でも「彼にとって都合の悪い悪感情や言動全て」を洗脳で排した、

異世界にまで浸透させ及ぼされる程の、強力無比な洗脳を施させる、彼一人の魂で汚染された世界だ。

その為…彼の魂が存在する全世界を消す他なかった。


と言っても世界観、他が「彼へ抱くべき悪感情」、から破綻しているので、もうどうにも仕様がないのが実情だ。



という裏事情は置いといて要点を纏めると…


人は、違うからこそ、ぶつかり合い、苦悩し、反目もする。

価値観の違いから重要度も普通も異なり、当時の環境の違いから抱く余裕も異なり、出来る内容も限界も余力も異なる。
その分、いつもなら出来たのにと悩んだり、どうしていればと葛藤したり、多数と合わないから人間ではないと排される等、違いから苦しんだり苦しめられたりもする。



だからこそ…己こそが全てだと他を蔑ろにしてはならない。

その違いがあるからこそ学びがある。
怒り、悲しみ、己という存在をより明確視出来、知ることが出来る。


大事なものなのだ、互いが…