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Unlimited【ダンまち】

第72章 真相





癌によるリンパの腫れならば、腫れや塊の大きさも小さくなることは決してない。

実際はリンパの腫れも塊もへこんだり小さくなったり変動していた(きちんと測った)。
声の通りもよくなっていっている。
自力で起き上がれるようにまで体力も回復している。

だが、本当に癌ならそうなることもない。悪化の一途を辿るばかりだ。

更には悪性か良性か炎症か、見分ける医療技術も方法もない。摘出してからしかしない。


手術に対して、嫌な感じ、怖い感じしかしなかった。

それは確実に、間違いなく死ぬからだ。
疑わしきは取る為あれもこれもと取られていき、弱ってる時にされたことで、それが追い討ちとなって殺される。



何より…

潰瘍になって出血する3週間前まで、リンパが全く腫れていなかった。
出血後、リンパの腫れや塊が大きくなったり小さくなったりする。
たった2週間で、残り2割も含め全て癌と断定される。
菌と戦っている時と同じく、膿を出している。


これらから、造影やPETの影は炎症、菌による舌の口内炎&リンパ節炎だと判断するのは容易かった。



そして…朝御飯を食べ終えてないまま、お礼を言いに回っていた。


母を喪うかもしれない「激情」「不安」との葛藤、それらを経て、ようやく流し込めた。

それと共に、彼との確執も、怒りも、そういう存在なのだと、それごと取り払えるようになった。
ああいう風にまで(3557ページ参照)思えるようになった。

それらも込みでの、見据えた上での、『学び』であり、『試練』だったのだろう…


逆に言うと…そういう人でない人ばかりでは、きっとこんな学びは得られてはいない。

全て無に、とまではいかないでも…
何なり出来るよう、なるよう、被害が増えないよう、祈るばかりだ…

あちらの世界の医療が少しでも早く、摘出前に、癌と炎症、悪性と良性の判別可能にまで発展して欲しい…そう私は切に願った…



そろそろ皆が遠征から帰ってくる頃だ。

分身とも常に記憶を共有しているので、そのまま任せても大丈夫だろうとのこと。


それから朝御飯中…
二人きりの時間も作りつつ、アルとディと極力いよう、過ごそうと、フィンと話し合った。

同じ気持ちのようで、安堵の表情で笑みを浮かべながら頷く様を見て、私は安心して笑った。



同じ食卓の下、朝日が煌々と照らしていた…


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