• テキストサイズ

Unlimited【ダンまち】

第72章 真相





ケイト「ごめんね――

私のことぐらい、私でしないといけないのに…」ぐすっ

フィン「別にいきなり全部できるように、なんて言わないよ?」
ケイト「でも!!」

フィン「人は…誰もが、生きているだけで、知らず知らずの内に迷惑を掛けるものだ。
(君の)その迷惑が、僕は好きなんだ。

君もだろう?」

ケイト「ぶわっ!)

うんっ!(こく)
うんっっ!!」こくこく瞑目

私は――フィンから掛けられる迷惑が、好き

何より好き、その全てが…


フィン「焦らなくていい…

自分のペースでいいんだ。


大丈夫…大丈夫だから」なでなで

ケイト「う…ん」ぼろぼろ

そう、食卓の机からさほど離れず、椅子から立ち上がって向かい合ったまま、

私は涙が止められず…
その頭を、フィンは優しく撫でた…


自分を大事にすること、
その深さが、段々と、彩りが深く、重く、増していっている気がした――

愛していると――幾度も言われ、示され、涙を禁じ得なかった、止められなかった


自分を愛することの大切さ、意味を、私は一人、人知れず噛み締めた



密接に絡んでいるんだよ、人は…それがたとえ――たった一人だとしても



そう、フィンから言われた私は…涙を流す他なかった。

死と向かい合い、その死すらも、前世の経験から引き継がれ
全てが、紡ぎ、繋がれ、『今』という世の中を作っている。


人間という過去の全てが、今の全てを形作っている――

そんな陳腐な結論は…随分と昔に至ったはずだった…



だが…その一人一人の中に、数多の人物との経験、学び、糧があり、
その人物達は、前世に触れた人達でさえ、その魂の中で生きており、

今という人格に至っている…



全てが、今という形に繋がり、未来を作る。

それが、それこそが、変わらぬ不変の掟であり、定めなのだろう。


この世は…唐突に、『残酷な現実』となる。

しかし、それさえも『試練』で、遠い昔から続いてきたことで、
誰しもが『避けては通れない道』なのだと思う――



だからこそ――人は、人を、慈しみ、想い、大切にせねばならない


/ 5987ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp