第72章 真相
いなくなった…
二度と、会えないと思っていた…
話も出来ないと…
その父上が…こんな所にいたっ
ケイト「何で…涙、止まらないんだろ。おかしいな…」ぐしぐし
フィン「おかしくない…」
ケイト「!」瞠目←その間も涙が零れ落ちていく
フィン「おかしくないよ…
ずっと…
ずっと…!
たった一人で、自分すらも敵で…
やっとっ!
なんだからっ」ぎゅうっ←涙声&鼻声
ケイト「…うん
…(じわっ)
うんっ…」ぼろっ
フィン「もう、いいんだよっ
堪えなくていいから、思う存分泣けばいい。笑えばいい。怒ればいい。
止めないから…
君も、止めずに、受け入れればいい。
本当の、自分って奴を――」
ケイト「うわああああああああああっっっ
父上えええええええええ!!」
私の中で、魂の中で、確かに生きていた
大事なものとして、
欠かさないものとして、
生き筋の羅針盤(コンパス)として――
殺そうとしていた『私』の中に、共に生きていた……
ごめんなさい…殺そうとして
ごめんなさい…投げ出して終わらせてしまって
ごめんなさい…あなた(父上)まで、殺そうとしてしまって
生きないといけないのに、大事にしないといけないのに、ごめんなさい――!!
目に見えなくなっても、見えない形になっても、何度も指し示そうとしてくれたのに、
いい人だなんて思おうとして、そんな人でないのに殺そうとして、大好きな人だからと愛する為に消そうとして―
ごめんなさい――!!
何度も教えてくれたのに…
何度も、聞かせてくれたのに…
何度も、…与えて、くれたのに!
もう、忘れないから…
それごと、愛するって約束するから…
私の中で、これからも息衝く皆の為にも、
私の為にも、
生きるよ――
何故、
自分を、大事にしなければいけないのか…
その根幹を、ようやく、理解した…
今、この時に――