第72章 真相
なるほど、その為のサポちゃんか。
そう、納得した。
避けるのは『最悪の事態』のみ、学びに必要な事柄ならば避けるよう手助けしない。
乗り越えるよう手助けし、新たな視点を教え、やり方を考えられるよう導き、支える。
人と人とを繋いで…紡いで……
不思議と、そう伝わってきた。
これまでの全てが、その為にしてきたと…漠然とした想いが伝わってきた。
ケイトの悪口はしたら地獄落ち、ダメ。
彼の悪口はいくらしても無罪。
不平等だと言われようが、人へ細心の注意を払っている人とは、頑張り具合が違う。
頑張り所も。
だからこそなんだろうが…
ケイトのそれ(ケイトがした彼の悪口)は悲鳴の上、
頑張りが彼以上、遥か上だから、地獄落ちには決してならない。
寧ろ、線引きをはっきりと明確にさせる為に、
地獄落ちにさせたくない、そういう人物ではないと証明したいが為に、
考えたくないのに体を壊すまで考え続けたから、天国行き補正も加わっている。
逆にそういう人物だと証明されてしまった訳だが…
どうでもいい人か、そうでないか…
そこもまた、ケイトの中で、どうでもいい人ではなかったからこそ
頻りに怒り、気にし、病気になっても考え、問題となって、障害となって、身に降りかかった…
ケイト「やったらいけない「自分の為」とは
「他の人がどうなってもいい、殺してもいい、繰り返してもいい」という部類。
それで巻き込まれる人達を「意に介さないこと」。
で、合ってる?」
こくこく!
神々が何度も頷いているのを感じた…
『前世の父上を、どう思いますか?』
?
何故、そんな核心に迫るかのように…?
そう思った矢先、ケイトは迷わず口にした。
ケイト「父上は…私の誇りだ」微笑
そうして語られるそれは、前世でも僕(伴侶)が聞き及んだことだった。
ケイト「が武者に、一心不乱に、首を取り合って、人の屍を踏んで、より高い位置に立とうとする。
それが…武士社会というものだった…
だが、父上は…父上だけは違った。
私に…人のことを、立場を置き換えて思考する大切さを教わった」
そうして教えてこられたのは…
齢10もいかない頃…
夜遅くに、囲炉裏の横で、母上抜きで話し合った時のことだった。
それが…ケイトの、どう在ろうとするかの『分かれ目』だった……