第72章 真相
実害を与え続け、それを何とも思わず繰り返し続ける自分本位(沢田綱吉)と
決して実害を与えまいとし、それ所か殺しにきた相手さえも慮ってばかりする他人本位(ケイト)…
よくもまあ後者が罪だなどと宣えるものだ。
気付けば抱き締めたままケイトを雲クッションへ押し倒しており…
適度に低反発で、身体の力を完全に抜いた姿勢になっていた。
フィン「弱いものには優しくある動物の本能にさえ負ける…
改心した世界でも、本題を理解できた世界でも、罪の重さを認識できていなかったからね…」
ケイト「平気な面、ね…;
でも…さ…消す以外の
フィン「消される側の立場に立てるのは大変素晴らしいことだがやめてくれ!!
僕達を殺す気か!!?」切迫
ケイト「ごめんなさい」しょぼん
フィン「本当に…少しは、ざまあみろとか思ってくれないか?」
ケイト「思えないからなってるの」ずううううん
フィン「他意はない、か…;」苦笑溜息
それだけ気を遣っても、報われることは数えるほどしかなかったというのに…;
当然だと思われるばかりだったろうに…;(天仰ぎ嘆息)
それでも…へこたれずに、慮れるのは財産であり、自信に変えてもいいと思う。
まあ、利用されるのが落ちだが;その良心でさえ…;
報われることも求めず、人へ一切求めず…
頼らないのも求めないのも頼りないと思っているからかとも思いかけたが…
そもそもが、ケイト自身、自分の思い描く通りというものが存在しなかった。
思い通りという概念がなく、あるとしたら…誰も犠牲にならず幸せになって欲しい、それだけなのだ。
だから何度、ケイトへして欲しいことを尋ねても
「幸せになって^^(大好き」
だけである。
天真爛漫というか純粋無垢というか…うん、フレイヤが恍惚に熱烈に惚れるだけはある。
ケイト「とりあえず!
3人が入れるようになって!
いい人だって宣伝もちゃんとあったことで!
誤解がとけて本当によかった!!
本人達じゃないのが浮かばれない所ではあるけれど」ずううううん
フィン「ケイト?;」
ケイト「まあ…うん。
ごめんね…どうか、幸せになってね。
消滅しない世界があったら、また変わったのかな?」
フィン「変わらない変わらない(頭を振る)
全地獄行き全消滅だからね。何があろうと結果は変わらない」
ケイト「意地悪!;」もおっ!ぽっこー!
