第72章 真相
なくしたはずの温もりを、僕は両の腕の中に閉じ込めた。
そんな奴の為に動かないでくれ、と…
そんな為に死なないでくれ、と…
ただ、只管に、想い、懇願した……
幾度も明けることも無い夜を、過ごしたから――
単純に、あの世の方が時間が長いからと、やたら気に掛けていた…
僕から見れば、ケイトはただただ心配していた。
で、彼(沢田綱吉)はと言うと…「絶対修行しない」「ボスにはならない」の一点張り。
が、優しい人だと、立派な人だと、やたら友人達が一丸となって吹聴していた。
だが、並盛町民からすれば「人のものを壊しまくって笑って何食わぬ顔をし続けるだけの、ただの野蛮人」
まあ殺しはしないだろう、殺せはしないほどケイトの実力は高い。
そう、高を括っていた。
それが間違いだと気付いた時には…既に、事が起きた後だった。
彼に殺されることで、国王殺しにして、少しでも『殺しの罪深さ』を思い知らせようという策を打ち出した。
非常に短絡的かつ浅慮であることもまた自覚できれば、と踏まえてのことだった。
しかも無抵抗、しかもケイトが皆を炎で覆っていたのは人質にする為ではなく日頃の疲れを癒す&治す為と衝撃から守る為(死後解除された)。
その後…彼は事もあろうに、皆が無事だからそれでいいか、で流して終わったのだった。
所謂、ケイトの死は無駄死にである…
それらに伴い、ボンゴレファミリーはケイトの国と自警団を敵に回すのを嫌い、彼をボンゴレファミリーから絶縁させた。
ケイトの国と自警団は、アメリカとロシアの所有する核兵器全てによる総攻撃を食らったとしても無傷でいられるほど強力無比なものだったからだ。
その長であるケイトは地球所か世界一つぐらいなら平気で破壊かつ消滅できる。その自警団の団員は一人一人が最低でもそのケイトの半分ぐらいの力は所有している。
赤ん坊(リボーン)でも手も足も出せないレベルの強さなので、命令が下った。
沢田綱吉のみボンゴレ関連のものは全て没収され、それを手に赤ん坊もいなくなりボンゴレへ、跡継ぎはケイトの国への依頼で何とかなった。
だがそれを機に…日本とイタリアのみ国交は完全に断絶され、輸出入されなくなった。
それで居場所を無くしたボンゴレの瓦解が加速し、自警団に合併される。
後に国交の回復を願い「大罪人沢田綱吉の首」が届けられた。
