第71章 改革
「「………」」シーン
ケイト「はっ!!)
済まない…
感情のまま、取り乱してしまった…」ずーん
肩を落としながら俯きつつ、頭を深々と下げた。
会談の場にらしからぬもの、そう思ってのことだろう…
机を挟んで、僕(ケイトの左隣)とケイトの正面にいる軍事大使と資産大使は…逆に納得がいったようで深く頷いていた。
資産大使「いや…気持ちはわかる。
や、されたことがないのをわかるとまでは言えないが」
軍事大使「…問題は…神石での一斉捕縛がスムーズにいくか、だろうか?」
ケイト「あ、ああ…
捕えようとさえ思えば、一瞬で出来る。
動きも声も止めることも可能だ。神剣で何でも無効化できる…
……ごめん、なさい…」
資産大使「む?」
軍事大使「何を謝る必要がある?」
ケイト「私の…要望に、応えさせる、ことに、なった。
私は…
もう、見たくない…ウンザリだ。
私のような人は見たくない。
それがいるってことは、そんな人がいるってことだ。
そんな人がいるということを、知りたくない。
あの苦しみが、哀しみが、辛酸が、平気で普通とされる、優しい人とされるそれも…
今も世に蔓延っていると、思いたくない。それだけで辛い…
悔しいよりも、何よりも…
理解されない、受け入れられない、否定される、拒絶される、傷にやすりがけされる、そんな感覚にとらわれる。
なら、引き籠っていればいい?合わさせるな?
馬鹿を言うな、人殺しめ。てめえの罪を取り立てられたくないだけだろ。
…(ぽとっ)
痛くて…苦しくて…仕方ない……堪らなくなるんだ…
自分が全てだと、人に好きに出来る人が…
今も次々に人を踏んで、泣き寝入りさせて、幸せだと笑う現状に…
利用されるだけされて、行き着く先が、貧民街で…飢えて、苦しんで、死んでいくことに……
報われないことに…そのまま死ぬことに…納得できない。したく…ない」
鼻水をすすりながら、泣いていた。
その頭を資産大使が撫で、左肩を軍事大使が軽くぽんっと手を置いて撫でた。
資産大使「…
金は要らないのか?」
ケイト「要らない!
一銭だって要らない!!
人命よりも大事なものがあるか!!!
気持ちも何もかも踏み潰されて!何が生きていると言えるんだ!!?
それをやって笑うことの何がっ!!楽しいんだっっ!!!」