第71章 改革
フィン「感情に制御がつかないようだ。
王に代わって謝罪する。
済まない」お辞儀
軍事大使「いいや…貴国は幸せ者だ」
フィン「?」
軍事大使「こんなに…真剣に人のことを考え、慟哭を上げることが出来る。
心を痛め、泣き、苦しむことが出来る。それも人のことでだ…
人の心に寄り添う、いい政治が出来るだろう。
そんな性格も見抜けない連中が多過ぎるのが難だがな。苦労するぞ、あれは…」
フィン「ああ…随分と、泣かされてきたようだ」
資産大使「虐待を常日頃受けていればわかるだろう。
余裕もなく、心にも体にも傷を抱え、誰からも理解されない。
自分のことを考えているだけと取られるばかりか、常に人に接する度に怯えるように顔色ばかり窺わなければならない。
まあ…私もされてきた身だが…まさか性虐待までとは;それも年端もいかぬ頃に;」
フィン「大きくなってからも胸辺りを触られたり色々と苦労したようだよ?」
資産大使「そうか…
だから、その痛みが、何度も頭をかすめてしまうのだな…
多過ぎたが故に…」
軍事大使「それにしても…英雄譚など眉唾物だとばかり思っていたが…」
資産大使「うむ…」
「「神国の名に相応しい聖人だな」」
ケイト「ぐすっ)?」きょとん
資産大使「まったく。いつまで泣いている?
会談が進まんだろう」
ケイト「あ!;済みません!!;」
軍事大使「それと、気に病む必要はない。
こちらは十二分過ぎるほどに対価を貰っている。貰い過ぎているほどだ。
それほどに、神の力というのは大きい」
ケイト「!はい」
資産大使「あー…
出来る限りのことはしよう。
流石に限度はあるかもしれんが…必ず
ビービービー!!
資産大使「おっほん…
必ずとまでは言えないが、何とかすることをここに誓おう」
軍事大使「こちらとしても同じく誓おう。
上層部が根こそぎ入れ替わるやもしれんがな」黒にや
ケイト「うわっ!怖い;」たらたら
資産大使「わっはっはっはっはっ!^^
怖がられとるぞ軍事の!!」げらげら
軍事大使「…仕方のないことだ。
そうでもしなければ0になど出来はしない。
そして…救済措置が手の届かないほど数が溢れることも防げはしないだろうからな」
ケイト「あ、そっか!
怖がってしまって済みません!
ありがとうございます!」深々お辞儀