第71章 改革
テロップ『喧嘩を売っている!!;』
咄嗟に大使2人の方を見ると、至って冷静だった。
同じ考えだ、と言わんがばかりに…
揃って深く頷いていた。
どうやら、死ぬほど苦労させられてきたらしい。
そしてケイトから目配せがあり…その時、『思念』が伝わってきた…
『自らが踏んでいる人を気遣えないものは、最初から入れない。
ましてや…その犠牲を光栄に思えと、人を人とも思わない、自らのみ安全な場で楽に利益のみ啜り、高らかに笑えるものは。
そんなものと、そんな国とでは、同盟を結ぶ意味などない。価値もない。
利用され、往々に搾取され、踏み台にされるだけだ。さも当然であるかのように…己だけのことばかりのものとは』
と、鋭い目で…
『人を犠牲にすることでしか幸せになれないクズは、勝手に死ね。
当然のように、大人しく足蹴にされ続けていろと笑う、傲慢で、不遜で、愚かな輩だ。逆にされるのは死ぬほど拒絶するのに、だ。
優しい人が、上に立てないのは、多くないのは、そういう輩が幅を利かせて平気で踏み台にして死ぬまで使い潰し出汁にするからに他ならない』
そういった社会の在り方により、優しい人ほど損をする。
そういった自らさえよければと、楽だから人を搾取する人のあまりの多さに、常識が捻じ曲げられる。
優しい人さえもそういう手段に走り勝ちになり、減っていく。馬鹿を見続け『させられる』あまり減る一方となる。
それらの負の連鎖に、常々絶えることなく起こり続けているサイクルに、辟易していた。
他の尊重よりも、己の利益…その為なら他を踏み潰し、笑う。
人間の中には、その方が余りにも多過ぎる…
更に、腐敗は進み、ずる賢くバレないように、犯罪すれすれになるようにし、加速し、増え、増長する一方…
これが、他の大陸における現状だ――
資産大使「正論だな…」
軍事大使「こちらの方針に合わんものを拾っただけだ。
貴殿は言わばリサイクルしただけに過ぎん」
ケイト「私もそう思います。
それに…本人達が望みさえすれば、帰しているのですよ?
ですが…必ずうちに帰ってきます」
資産大使「うむ…
何分こちらでは、回るのならば壊れるまで回せと上から指示されることの方が多い。
使い潰す形となり、死にゆくものを救ってくれたことには感謝しかない」深々お辞儀
ケイト「いえ」