第71章 改革
それもまた神様から聞いた時、合点がいった。
フィン「ケイトだからだ」
僕が惚れたのも、助けられたのも…
フィン「もっと早くに君と出会いたかったよ…」
ケイト「?」
フィン「いや…こっちの話だ」
気付けば微笑していた。
ケイト「これまでの『経験』『思い入れ』
それらが、「好き嫌い」「常識非常識」の指標を作る。
だからこそ、立場を己と置き換えて「されて嫌かどうか」を考え続けた上で実践し続けることが大事となり、それが最低限の配慮となる。
この世では…
徳の高い人が得を取れず、徳の低い人ばかりが得を取る」
フィン「?どういうことだい?」
ケイト「人のことを考えたり、慮ったり、心を砕いたりする、そんな徳の高い人が損をする。
でも徳の低い人は、人を人と思わないから、人のことなんて考えないから、自分のことだけを考えてやりたい放題出来るから、得ばかり取る」
フィン「ああ、言えてるね」
ケイト「つまり…あの世とは逆なんだよ。
だからこそ修行場足り得るんだってさ。
要するに…『本性を試す為』だって」
フィン「なるほど…
そう考えると凄いね。よく作り込まれている。
高い人ほど、流されてする低俗な人間に染まるかどうか試されているという訳か」
ケイト「こわっ!!
神様凄い!って言うか怖い!;」がくぶる
フィン「ああ…君のような人は、死ぬまで利用されて終わりだからね。
人数的にも、徳の低い人の方が多いし、優位にも立ちやすいから…より修行に役立つだろう。
威圧的にもなるだろうしね」
ケイト「人の為に…って、頑張れるか、ってさ…
人の為に見せかけた、自分の為…それとの判別を、見極める目を養えってことなのかもね」
フィン「君は、人がどう在ろうが、それごと大事にしようと出来るからね。
関係抜きに」
ケイト「でも限度はあるよ!;
ツナだけは無理;絶対無理;
今じゃもう…対面=すぐ殺すになるかも。
右手で頭、左手で肩を押さえて即座に右足で蹴って首をねじ切ると思う」
フィン「随分と殺伐してるね!?;」
ケイト「それぐらい…人へ理不尽を強い過ぎてるって話だよ。
絶対修行しない!でも絶対痛い目見ない、ツケも回らない、万々ざ~い、って腹立つわ!」眉顰め
フィン「得するのは一緒に楽しんでる奴ぐらいじゃないか?;」
ケイト「だねえ;」