第71章 改革
ケイト「……私にも、わからない…
でも、多分…
私が、10代目にかける想いと同じように…何かあるのかって…
でも、何でかな……
哭いてるみたいに、感じたんだ」
『!!』
ケイト「咽び泣くとかそんなんじゃなくって…
どうしても手に入らなくても、関係ないって…
そんな、物悲しい…これ以外何もないって…そんな悲鳴に、慟哭のように、雄叫びのような荒々しさと、憎悪ではない『何か』を感じた。
八つ当たりか…ただの駄々か…←2279ページ参照
それをただ、知りたかったのかもしれない…
どれだけの想いを、この戦いに込めているのか、ぶつかり合うことで、炎(想い)をぶつけ合うことで、知りたかったのかも。
何でそんなに、必死なのか…死をも恐れないのか…
それほどまでに全てを懸けて、全てを捨ててでも、命の全てを出し尽くしてでも、取ろうと執心するのか…」
ザンザス「てめえにはわからねえ」
ケイト「うん…
そこは、ちゃんとわかってるし、弁えてるよ。
私には、私の経緯があるように…ザンザスにも、ザンザスの経緯がある。
それは…その立場を経験したものにしか、わからないものだ。思い入れも、その強さも、きっと異なる。
私はたまたま、「血」で選ばれたに過ぎない…
でも、それで何がわかる?
血なんかで、何が変わる?
本質も、心も、在り様も、人となりも、そんなもの、血一つでわかる訳もない。定まる訳でもない。
それを何故指標にしたか、意志ではダメとする理由がさっぱりわからなかった。
受け入れたくはなかった。
だから…リングを、私自身が、自分の意思で、拒みたいんだ。
リングを…10代目の証とは、したくないんだ。
これは、私自身の意思であり、我が儘だ…」
ザンザス「…そうか。
やはり、そうなんだな…」
ケイト「ん…?」
ザンザス「……結果に、納得してねえ」
ケイト「うん…
10代目にはなるし、名乗るよ?
でも、こんな決め方、私は許したくはない。
今後にまで、引き継がせてはいけない。
誰だって、その意志さえ正しければ、そう受け継げるのであれば…
私は手広く受け入れるべきだと思っている。
超感覚なんてのは後から身に付ければいい話だ。習得プログラムでも作ってさ…
私は、その先が見たい…誰もが平等に、手に入れられる、高め合える未来を――」