第71章 改革
ケイト『手をこまねいていたくはないんだ!
お前達を踏んでいるのをわかってて、更に力を貸してくれだなんて、ふざけんなって話だろ!!』
と怒り心頭だった時点で、既に把握しているとまで言われた。
悪く言っている、ではなく…
相手の気持ちに立って、物事を見て、感じている。
だからこそ怒っている。
ちゃんと、人の気持ちを考えられる人だから。
考えない人なら、意に介さない人なら、最初からこんなに怒りはしない。
自分のことのように、人の気持ちや心に立ち、物事を考えられる。
それだけで、十分過ぎるぐらい…
だと感じたらしい。
実際の所、世の中では考えない人ほど得をする。
人なんて出汁ぐらいにしか思ってない人もいるのもまた事実。
立場が、自分から見て加害者だという枠組みで、
人となりや、心や、気持ちまで、その全てまで決め付けたくはない。
それで悪人だと決め付ければ、情状酌量の余地のある人間まで悪人になってしまう。
だから…自分の目で見て、聞いて、見極めたい。
その上で判断したい。
大事にしたい。何より幸せになって欲しい…
願われない立場にいたからこそ、深く、そう願う…幾度でも想う…
戯言だと言われる。嘘だと言われる。
軽んじるものほど、気軽にそういうものとし、吹聴し、徳の低いものと扱うよう周囲へ促す。
味方は誰一人としておらず、理解者も、耳を傾けるものもいない。
それでもなお願った…だが届くことは決してない。
だが神は見て下さっていた…
本心からの願いだと……
ザンザス(憐れみでもなければ同情でもねえ。
本気で、心から、俺達の幸せを願っている。
だから信じると決めた。認めた。惚れた…その真っ直ぐな性根に。
媚びを売るでもなく、へつらい褒め称えるでもなく、
俺が幸せに至れるよう、真剣に考え、葛藤し、悩み、真っ直ぐに俺と向き合いやがった。
だから…惚れたんだ)
ケイト「心に耳を傾けない、傷を慮ったり労ったりもしない…
そんなものが!正義であってたまるか!!」
ルッスーリア「漢ねえ…//」うっとり
マーモン「何故、今回僕等に君を殺させまいと?」
ケイト「だって…お互い、いいこと無しでしょ?本意ではない」
マーモン「それだけじゃない…
リング争奪戦で瞬殺できたはず。
その肝心の理由はまだ教わってない」