第70章 新天地
フィン「ケイト…」
膝から崩れ落ち、咽び泣く。
ケイト「どんなにもがいても!!どんなにあがいても!!足掻いてももがいてもいないようにしか言われねえ!!!
知らない奴等に、知れだなんて巻き込めるか!
知ってる奴等に、余裕もないのに巻き込めるか!!
知らない奴の、知らない世界に、こんな痛みを持ち込めるか!
知ってる奴に、既に精一杯頑張っていっぱいいっぱいの奴に!されてたらどんなに余裕もないかわかってんのに、助けてなんて言えるか!!
根本から違う奴が、この苦しみも哀しみも知った口をきくな!!!!
知りもしない癖に知った口きいてくんじゃねえ!!!!
こんな…(ぽとっ&ぎゅうっ!)←床についた両手で拳を握り締める
こんな自分を大事にするのが、正しいことであって堪るか!!!!!!
ごめん…
ごめん……」
フィン「いや、そっちの方がいい。
ちゃんと吐き出してくれる方が有難い。
聖人君子のように、傷付けないように、必死に全部一人で抱え込むより、ひとりになって、全てを背負い込むよりも…
余程いい。
僕は、そう思うよ。
言ってくれて、ありがとう」跪いて目線を合わせ笑い掛ける
ケイト「受け入れてくれるの…?何で?」
フィン「ぶんぶん)
当たり前のことだろう?
君は…僕の、どういう経緯か、野望を聞いても笑わずに受け入れてくれた…
それだけじゃない。僕は、君と生きると決めたんだ。
口先だけで終えるつもりもないし、君との仲を終わらせる気もない。
今の方が僕好みだ。
全てを包み隠して、生涯を終えるまで抱え込むよりは…(ぎゅうっ)←抱き締める
ちゃんと吐き出して、当たり散らしてでもいいから、ちゃんと…伝えるんだ。
たとえそれで全ていなくなろうと、離れていこうと…僕は傍にいるから……」
ケイト「っ――」
涙が双眸から滂沱の如く零れ落ちてゆく。
その後、堰を切ったように叫び出した…
ケイト「私は――いい人なんかじゃない!!
こんなに醜い!!!!!
ドロドロした黒いもん一杯抱えて!!そんでも人へ与えたくないって押し殺して!!!!
誰にもわかってもらえないで!!!
……苦しかった…ただ生きるだけで……」俯震
フィン「ケイト…
君は、自分らしく在れる場所がなかっただけだ…
ありのままの自分を出せる、ぶつけられる環境も…」