第70章 新天地
ケイト「…へ?」瞠目
寝耳に水だろう…
当然だ…
意識して、そういう生き方をしていた訳ではない。
理解されなくてもいいから、本人達さえ幸せなら、と…己とは異なる、違った個と認め、甘んじて受け入れるその道を選んだ。
だが…それは、その諸事情を、経緯を深く知り、理解している身内に、多大な禍根を、深い傷を残す。
もっと伸び伸びと、自由にさせてやりたかった。
守ろうと望み、自ら傷付かぬ道を選び、
守られてもなおそんな目を向けられ、惨めに死んでゆく姿を見るくらいなら…
その者達を、殺せばよかった……
話せばいい?
理解する気もない人に?
先入観で蔑ろにし続け、自らは傷付けてないと高らかに叫ぶ外道に…?
殺した方がいい。どんな苦しみを負ってきたか、それぐらいは味わうべきだ…
そう考えてしまう。
死へ追いやった報復を、血の怨嗟を…
フィン「耐え抜くだけではダメだ…
それでは、君も、僕も不幸にするだけなんだ。
だから…」
ケイト「…でもそういう人は0にはならないよ?
誰だって泣くよ?で、そういう見方をする人に怒るよ?
誰だって
フィン「僕が言いたいのはそこじゃない!!!!
もっと…もっと、自由に…自分のしたいことを出して、さえ…くれれば」俯
ケイト「十分させてもらってるよ」
フィン「…!!」
顔をあげると、君は微笑んでいた…
変わらず、さも満足そうに…
異世界の、(君自身が)死んだ時と同じように……
ケイト「沢山…沢山、自由にさせてもらった。
沢山、受け入れてくれた。
沢山、愛してくれた。
誰もが…そうだよ?
で…死んでゆくよ。
惨めなんかじゃない…
あなたにとって、少しでも誇れる自分で在りたいだけ。
僕の愛した人は、最高の女だって…
愛してよかったって、幸せな時間をくれたって…
そういう人で、そんな人として…死んでいきたいだけだよ^^
あなたの妻(夫(前世、前々世))で…本当によかった。お陰で私、頑張れたよってさ^^//」涙
フィン「……君は…頑張り過ぎなんだっ」号泣
ケイト「これからも――続けていくよ?
現状で満足する気はないし、人としての高み…最上よりも更なる先に行きたいから!←微笑し天井指さす
そ・れ・に!
さっき言ったの、誰だって大好きな人にはそういった想いを抱くもんでしょー?」じと目