第70章 新天地
愕然とした―――
その時、自覚した…
僕もまた、同じ想いを抱いていることに……
共にならば、死も恐れないことに………
好きで堪らない存在なのだということに………
僕の中の恭弥が言った………
彼女は、本気だと――
ケイト「フィン…?」双眸を見つめる
フィン「ケイト…重ねて言うが、僕ならそこまで我慢も許容も出来ない。
横暴には、相応の仕打ちを与えるべきだと考える方だ。
決して…君のように、耐えようとは思えない。足元を見られて、付け上がられるのが落ちだと知っている。
だが君は…知ってもなお、知っていてもなお、それごと甘んじて受け入れている。笑っている。人が幸せでさえあればと…
その為に、自分の心を自ら、傷付けて、ぐしゃぐしゃに握り潰してでも…
人の感情を、気持ちを、心を、どうしても立てようとする…自分と重ねて……
そこが、君と僕の決定的な違いなのだとも思う」
ケイト「そっか…
でも本気で惚れたのはそこだと伝えたいの!
何言われたって変わんないから…//」微笑
フィン「…//」
ケイト「…私さ…やっと、ツナのことは嫌いではなくなったよ。
ただ目の前のことに必死なだけだって、わかったから。
でもまあ…それ以外が蔑ろにされてるから、報われないから、吐き気がするぐらい苦手なことには違いないけど;
ツナの優しさってさ。
皆というより、仲間が誇りで、仲間の為だって言うんだけれど、『実際にもたらされているのは』「自分の為」なんだよね。
身内しか得してなくて、他全ては実害を被って損しかしていなくて「泣き寝入りさせられている」っていう…あくまで身内びいきの範囲内にとどまっちゃってる。
神様が言っていた「全て自分の為」って…←2492,2854,2989ページ参照
そういう意味だったんだって、今、はっきりとわかったよ。
しかも本人は…繰り返さないよう努めない、最小限にしようと考えないから…身内以外への「虐げ」で終わってしまっている。
でも恭弥の優しさってさ。
自分の為なんだけれど、『皆の為』に繋がってるんだよね。
実害を被っているのは、風紀を乱すor群れる奴だけ。それさえ守っていれば誰も被害を得てない、無差別に襲い掛からないから。
だから…無秩序が実現されていない。少なくとも恭弥の手の届く範囲内では」