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Unlimited【ダンまち】

第70章 新天地





フィン「…そういう所まで…見抜けるようになった、か…

だがケイト、言っておくが…無理だ。
このままでは――ノイローゼになってしまう


正しく理解しようとしている。
正しい道を進もうとしている。
神から愛してもらっていることに恥じぬように、愛されるに値する人となる為に。懸命に努力し惜しまない。

そこは君の美点だが…何事も限度はある。



このままでは…学ぶ前に死んでしまう…



危う過ぎるんだ…君は……

頼むから…どうか、頼むから……
自分を立ててくれ」土下座

声を絞り出した。

緊張からか、声は掠れていた…


神殿の中、2人きりの空間(懺悔室)で…懺悔した。


フィン「報われない自分と重ねて、虐げられていた自分と重ねて、無いものとされた自分と重ねて…
『他だけ』を立てるのではなく、君を立ててくれ。

このままでは…消えてしまう。

だから……僕は…君に、消えて欲しくないと思った。
僕も、君と同じだ…

君が、いなくなって欲しくない。死んで欲しくない…やっと見つけた光を、喪いたくはないんだ…」ぼろぼろ

頬を伝って落ちていく涙…

それを意に介さず、切に頼み込んだ。


わかっているはずだ…このままの生き方では、死んでしまうことぐらい……


ケイト「でもさ…無理だよ…
その人達が報われないから痛いんだよ。報われない人達がいるから…
泣き寝入りする人達が守られないから、無いものとされているから、虐げられているから…

痛いんだよ……っ(涙)


ツナにあんなに怒り狂ったのだって…私、どうしても耐えられないから。

その現状に、状況に…痛みが、止まらないんだよ。
怒りが止められなくなって、存在そのものに怒って、哀しくて悲しくてやり切れないんだよ。

報われることなんて、その時が来ることなんて、絶対ないって…わかっちゃったから……



だから私には…どうしたって、無理だよっ

人がそういう想いをしている時でなきゃ、怒れないよっ
よっぽど我慢ならない時でない限り、出せないよっっ」涙

フィン「怒る人はいないのにか?
ケイト「それでもやなの!耐えられない!!(頭を振る)

そんなの…赦せないよ……」震&俯き涙


フィン「ぎゅうっ)←立ち上がり抱き締める

人からされるのは耐えるくせに…!
君のような人が生きやすい世界なら、どんなによかったか」


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