第66章 穢れ
市民カード登録に関しては、名を教えると共に赤ちゃんから老人に至るまで国民となった全員に配布される。
例のポイントは、「皆様と築く社会をより良くする為のご協力を頂いたことへのささやかなお礼」であり
「長年市民であればあるほど、より良く過ごせるように…」という、長くお付き合い下さったことへのお礼である。
国民がついてこなきゃ意味ないから、とケイトが作った。
変更案が可決した場合の違いを体験できる。
違いのみに絞った場合か、違いも含め日常全体の場合かを選ぶこともでき、両方体験した上での選択を薦めている。
罰ならば子供の意見でも国王直々に聞きに行く。
何となくで押した場合、どう感じたのか、どの違いが嫌なのか、どうされた時になんとなく感じたのかを聞く。
結局の所、出来心かいたずらで押された場合しかなく、ごめんなさいと謝ってくれた。
逆に悪意ある妨害目的の投票の場合、防衛隊から取り締まられる対象なので逮捕されるので注意。
全国民のそれら全てを把握し、譲れない部分でもどうすればより良く感じるのかというベクトルも教えてもらうことで踏み込む範囲を制限しつつ、皆が喜ぶ変化、目指すべき指針、方針を見定める。
その上で政治における変更案を出し、皆が皆可決するまで続ける。
が、好みや拒むもの全てを把握し、一人として泣き寝入りさせない為に悩み続け、真剣に取り組んだ案なので、罰を付けられたことは一度もない。
あってもより良くする為にと進んで要望を出されるぐらいである。
全国民による統合化を図っているそれは、一人として軽視したくない為である。
投票権に赤子まで入れるのに一騒動あった…
ケイト「0歳は?」
「おぎゃあしか言えないでしょ!;
理由なく泣くことだってあるんですよ!!;」
ケイト「1歳じゃ?」
「お話しできないでしよ!;」
ケイト「2歳じゃ?」
「話が出来ても何がいいかまでは考えられません!」
ケイト「3歳?4歳?」
「まだ判別つかないでしょうが!!
まず違いを受け入れ、協力を学ぶ学年でしょう!?
よくて中等部からです!!」
ケイト「じゃあ5歳から?
でも不公平だし…0歳から4歳までは父母か兄か姉か、好きな信頼できる人へ任せての投票ってことでいい?」
「もう好きにして下さい…;」
それもまた甚く好評を受けることとなった。