第66章 穢れ
能力での優劣は、人としての優劣に非ず。
己には出来ないが他者には出来る能力がある、得意不得意も『強み』という名の長所である。
自身の不得意を嘆いたり、他者の不得意を下に見るべき部分として見るのではなく、『長所をより強めること、生かすこと』を考えるべし。
逃れられない環境起因で生まれた障害、生まれ持った障害がある。
その障害もまた然りである。
己という個のみが持ちうる武器であり、長所をより彩らせるものにすべし。
ケイトの場合、欠点が全ての音が同時に聞こえ聞き分けが出来ない。大きな音があれば掻き消されてしまい聞こえなくなる。
が、その反面、聞こえるはずの音とわかってさえいれば聞こえない音があれば注視することが出来、音を合わせる際には音の余韻が殺されていることに気付きやすい。
コミュニケーション能力障害だが、その分周りを分析することに長けている。
簡潔に伝え、情報を集め、補完する方に専念し、その能力に卓越している。
プライドよりも、何よりも…他の心を取り、重んじるべし。
心を大事に。
体だけ生きていても、守られても、意味がない。
心が死ねば、生きているとは到底言えない。
「心を救うこと」の方が「命を救うこと」よりも重要であり、より高く評価される。
だが…一人一人の心を重んじ、傷に寄り添い、ありのままに受け入れ、当たり前のように一つの個として向き合い、尊重し、差別せず、偏見も向けず、決め付けず、大事にし続けてきた。それらにより、国民の全てを、沢山の人を何気なく救ってきた本人は……←2865ページ参照
ケイト『評価されたくてやったんじゃないよ!
私も…死んだまま、生きてたから…
だからほっとけなかっただけだ!
見ていて、痛いんだよ。痛々しいんだよ。
傷に響くんだ。耐えられないんだ。堪えられないんだ!(涙目)
じっとなんか、していられないんだよ!(涙)
わかってて何もしないなんて嫌だ!無理だっ(涙)
だから……見捨てられなかったんじゃないか…
私は…死んだままだった…
見向きもされなかった…
助けられもしなければ、守られもしなかった!傷付けられ続けるだけだった!!
大事にしろなんて…母や姉、父母や妹にしか言われなかった!
(リアルでは実の母と姉のみ)
だから…出来ないんだよ……出来なかったんだよっ;』