第66章 穢れ
・ローン貸し出し一例
とある日、銀行にて…
夜中2時の夜更けに、走って入ってくる男性がいた。
彼は迷わずカウンターへ向かい、縋り付くように両手を置き、崩れ掛けながらも叫んだ。
「お金を貸してくれ!」
「!どうしました!?」
「子供が、緊急入院して、ぜえっぜえっ
手術で、お金が…足りな、くてっ
「わかりました。
では理由と必要金額をご記入下さい^^」さっ←書類とペンを差し出す
「じわっ)ありがとう…ありがとうっ!」ぽろぽろ涙
迅速な対応が売りとなった。
理由と金額に加え、市民カードの提示と登録さえできればお金はすぐ貸せるようにしてある。
提出した際、書類内容が虚偽や騙しなら、例の役所と同様に即逮捕されるので注意。
理由のそれが一段落して自ら銀行に来るまで、返却する期日については口出しや通知をしないようにしてある。
それは心身共にこれ以上追い込まない為。ただでさえ予測外のことで金額不足に陥り、精神が参っている可能性があるので、配慮することと通達されている。
返済においてのローン形式、返済計画等については、本人が銀行に出向いてから。
お金を貸してから問題が解決した後に、お金を貸した係員と話し合って決めてもらう形式となっている。
最大金額は定められておらず、最長30年計画で返していく計画がある。
神国内では金貸しは銀行以外には認めておらず、それ以外での貸し借りは違法とされている。
ただし、必ず返すと決めている人同士であれば別となっている。
その場合、市民カード同士で契約という形として履歴に残るので銀行よりもシビア。
各個人ごとで分かれており、利子も付けれる、期間もしっかりと貸す前に定める人の方が多いらしい。
ちなみに治療場も24時間営業である。
ケイト「全員目上の人のつもりで接した方がよくない?
そっちのがお互い嫌な思いしないし問題にもならないでしょ?」
「合理的主義…」
「流石…」
ケイト「あ、でも国王の私のことは別段敬わんでいいし崇拝して欲しくないから。
まあ、全員家族だと思って接し合うようにお願いします。
できる範囲だけでいいからよろしくお願い致します」ぺこり
『国王としてあるまじき態度…)…』ぽかーん
心を見、聞き、寄り添うべし。
人の痛みに痛めない人間にはなるな。
最低限でもそれだけは定められた。
