第66章 穢れ
ラウル「は、はいっす!;」気を付け
その後…晩の内にダンジョンの全階層のマッピングを終えた。
作者『一過性の虚血性大腸炎により寝込んでいました。
詳しくは作者プロフィールのニュースに書いています。
更新が遅れてしまい済みませんでした』
ケイトに一度聞いたが…
ケイト『子孫として恥じないように在りたいだけだ。
先祖がいたお陰で、私がある。
あの世に行った時、ご先祖様達と会えた時…ちゃんと務めは果たしましたと伝えたい。
こういった環境で、こういった障害を抱えながらでも、頑張ったと伝えたい。胸を張りたい。
もし…悪く在ってしまえば…どう顔を合わせたらいいかすらもわからなくなる。
だから…自分なりに、会った時に胸を張れるように、在りたいだけだ…(真剣)
地位も名声も要らない。欲しけりゃくれてやる。
富でも何でも、あの世では一切…何の役にも立たない。
上役でも王でも何でも、何の意味も持たない。
その立場で…何を為したか、それが重要視される。
この世で役に立ったとしても、より厄介なものを引き込みやすくなるだけだ。
真っ当なこと等起こりはしない。
正当な評価を得られないことなんてほとんどだ。
立場にものを言わせて、人から与えられるものに胡坐をかいて、何もしなければ…何も返ってこなくなるのが道理だ。
だが彼は…それすら知らない。借りれる現状に、甘やかされる環境が当たり前ではないことも…
借りられない経験も、頼るものがいない経験もない。
喪う経験もない、喪う苦痛すらも知らない。何もない環境すら知らない。
私は…あの環境で良かったのかもしれない。
そうでなければきっと…今ある全てが当たり前だと、思ってたかもしれない。
与えられる全てが当たり前で、もっとだなんて厚かましく求める人間になっていたかもしれない。
今あるものが、たった一つでもあるだけで…十分に恵まれている。
家族があるだけで、一人も欠かしていないだけで…十分過ぎるぐらいなんだ。
理解者が外に出来て、友人が、話せる人が、聞いてくれる人が、見てくれる人が…そんな人が、たった一人でもいるだけで……さ。
だから…全てに感謝して、全てに仕返しなんてせず、全てを…敬い、大事にすること。
それが…私にとっての「生きる」となった。
私の子にも、そう在って欲しいな…』微笑