第66章 穢れ
リヴェリア「それであの時…凄まじい力を発揮できたという訳か…」
ガレス「凄まじい闇を手にしてもなおあの胆力…」
フィン「身に起きたすべての出来事を踏まえ「こう在る」と決めた。だからこそなのだろうね。
それらの点において考えると…彼とケイトは似ている点がある。
極端な所、とかね」
リヴェリア「あれとケイトでは次元が違うだろう。
あれは父親に対して、平穏な日々を守り続けてもらっていることへの感謝は一切ない。お金も暗殺者も、13歳までマフィアと一切関わらずにいれるほどにしたことから、父親の頑張りが窺える。
だが当の彼は父に対してあの仕打ちだ、父の気持ちも努力も報われないし浮かばれない。本人の本心では共に暮らしたい願いまで踏みにじっていることにさえ気付けていない」
フィン「守られている自覚も無いんだろう」しかめっ面&嘆息
ガレス「片や配慮が無さ過ぎる、そしてケイトは身体を壊すほど配慮をし過ぎる;」う~ん←腕組
フィン「極端過ぎるんだ、どっちも。
ただ…全世界において、地獄落ちか、天国行きか、どちらかの違いでしかない。
彼の言動や素振りを見るに…力を借りておいて、申し訳ない、返そう、という想いを生じていない。
少なくとも、申し訳ないと少しでも思うのなら、「窮地の時は呼んでくれ、力を貸す」なり「有難う」なり言う」
リヴェリア「少なくともケイトはそうしている」きっぱり
ガレス「力になって欲しい部分が違うだろうからと、わざわざ聞きに来た時は驚いたがな…」
フィン「ケイトにとってみれば、窮地に「力を貸してくれ」と言うのは、言い換えてみれば「私の為に死んでくれ」と言うようなもので、死なせてしまう可能性を僅かでも与えたくないのだと言う。
頼りにしていない、当てにしていない、のではなく…単純に、大事過ぎるから…少しでもその可能性を下げたいのだろう。
自分で解決できることを広げるよう努力することで、かかるだろう負担を減らそうと躍起になっている。
そして手の及ばない所まで無理に何とかしようとし、頼るという選択肢を蔑ろにしてしまっている。
そういう意味合いでは、本人達の気持ちよりも、自分の気持ち、というより願いを尊重している。本人は気付いてないようだけれどね…」
リヴェリア「なるほど。
その気持ちはわからんでもないが…頼って欲しい気持ちもわかってはいるのか?」
