第66章 穢れ
ガレス「惨いことをしよるわ」嘆息&瞑目
フィン「いくら謝罪をされた所で、本当に欲しかったものは二度と手に入ることはない。
心を、時間を返して――
それぐらいしかないだろう…彼女の真の望みは……
家から解放された時こそ話しかけたり出来ていたが、いじめられてから以降は…それすらも奪われた。
利己的に物事を見れず、他を巻き込むことを恐れ、自らを傷付けることを楽しみとすることでしか乗り越えられなくなった。
しかし…その中でも……あの優しさは、信念だけは決して変わらなかった。
八方塞がりの中でも、人にも物にも当たらない為に…己に当たり続けた。それを密かに誇りに思うほど…
自己中心的な望みなど一つもない。全て…誰かが得することばかり。
それも他の方が得が多く、自分に得るのは本当に微でしかない。
そうさせたのは…歪めさせたのは…彼等彼女等だ」
リヴェリア「世界ごと滅した所で、決して満足しない。
だからしない。いたずらに増やすだけだから。
そう頑なに貫き続ける本人の心や意思の固さも、決意の重さも…理解し得ないのだろうな」
フィン「僕が昔…終末神を浄化して回る旅の中で、度重なる寿命を削ってでも助け続けた無茶に対して言った言葉がある…
中でも「自分の命を何だと思っているんだ!?」と言った時…ガツンと響いたそうだ。
「寿命を削ってまで助けられて、喜ぶはずがないだろう!?」とも。
生きてさえいれば…それがわかっているからこそ、盲目的にしてしまっていた。
それに気付けないほどに、喪う苦痛を重要視してしまっていて、他が目に入らなくなってしまっていたんだろう」
ガレス「気持ちはわかるが本人が生きてなければ後味が悪いわ」
リヴェリア「当然のことだ。それをどう諭すかが問題なのだが…」
フィン「あの後…「怒ってくれてありがとう」「心配かけてごめん」と言ってくれた。
「誓うよ…二度と、寿命を削ったりはしない。その上で…護り抜いてみせるから」と誓って、その後…本当に有言実行してくれたよ」苦笑&瞑目&溜息
ガレス&リヴェリア「「あいつらしい」」苦笑
フィン「ケイトが言うには…光と闇が、火と水のように水蒸気爆発を起こすそうだ。←2210ページ参照
闇があるから光は色濃く感じる。光があるから闇も同様に。
双方を持って己という魂で、神の力たり得るのだと」
