第65章 新たな冒険
トール「いくら事実でも言っていいことと悪いことがあるんだ!
言論の自由にかまけて、好きに使うな!
言葉は人を傷付ける!殺すことだってある!
言葉は刃になるんだ!刃を振り回す殺戮者と同じだ!!」
『そーだそーだ!!!』
「よく言ったぞトールくーん!!
見直したー!」尻ふり
トール「見下されるようなこと、なにやったんだよ;シン」ひくひく←引き攣りながらも睨視する
男「タイマン張るか!?」
トール「のった!」
その後…初の喧嘩ルーム使用が解禁された。
殴り合う中、外の音は聞こえない。
だが…皆は必死にトールのことを応援していた。
皆、周囲全てから傷付けられ、奪われ、迫害され、殺された。その末にここへ辿り着いたからだ。
5歳1か月未満のトールのガタイは小さく、5歳11か月の男児のは大きくがっしりしている。
バキッ!!
何度もトールは殴られた
トール「ぐっ」
が、その度に立ち上がり
ゲシッ!
トール「うおおおおおおお!!!」
蹴られてもなおも立ち上がり、必死になってしがみ付き掴みかかっていった。
最後には何度も男児から蹴られる中、その左足の外側に噛み付いてでも離さないトールに…男児は断念した。
男「参った!」
先生「はい!勝負はそれまで!」
トール「はあっはあっ」
そうして先生が喧嘩ルームの機能を解除した後、満身創痍の状態だったトールが全快した。
怪我を負った男児の方もだ。
先生「はい」そっ←トールと男児の右手を手で取る
トール「え?」
先生「握手してごめんなさい」微笑←手に取った右手同士を自身の両手で重ねる
トール「……」
男「……」
共に、双眸を見入っていた。
どちらも、譲れなかった。
悪いこと等していないと思っていた。
が…双方共に、そう動かされる何かがあったのは…薄々感付いていた。
必死に食らい付く様に、力ではなく…姿勢で示すそれに……
気付けば…どちらからともなく、口に出ていた。
『……ごめんなさい』
いずれにせよ傷付けた。その業を背負い、生きる為に…
『わあああああああああ!!!』
2人の様子に、皆が沸き立った。
と同時に惜しみない拍手が送られた。
シン「カッコよかったぞー!!」
「えらい!」
「凄いよ!トール君!」
「頑張ったわね…」うるうる
口々に言われた。